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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

低温やけどにご用心~スマートフォンで低温やけど!?~

コラム2019/12/04

低温やけどにご用心~スマートフォンで低温やけど!?~

低温やけどにご用心~スマートフォンで低温やけど!?~

「昨今、スマホで低温やけどを負った」という報告が国民生活センターに上がっており、長時間の通話による頬のやけど、充電中に熱くなった本体に触れ続けたことで指をやけどした、などの相談が寄せられています。
また、近年のエコ意識の高まりから、湯たんぽや繰り返し使えるカイロなどに人気が集まっている一方で、消費者庁※1はこれらグッズの使用によって起こりやすい低温やけどについて注意喚起をしています。ゆたんぽによる事故件数は、平成21年9月~29年10月までに、363件起きており、そのうちの240件はやけどを負った事故のようです。※1
consumer_safety_release_171206_0001.pdf

心地よく感じる温度でも、皮膚の同じ所に長時間触れていると発症するのが低温やけどの怖いところ。スマホの注意喚起だけでなく、あったかグッズを使う機会が増えてくるこの時期、今回は「低温やけど」をテーマにお話しさせていただきます。

低温やけどの症状とは?

低温やけどになると皮膚が赤く腫れる、水ぶくれができる、白っぽくなるなどの症状が表れます。重症化すると皮下組織が壊れてしまうことも。この場合は高度な外科処置が必
要になります。一カ所に接触し続けるとやけどを発症する温度と時間の目安は次のとおりです。
・44度 3~4時間
・46度 30分~1時間
・50度 2~3分

高齢者は感覚機能の低下が原因で重症化しやすい

湯たんぽやカイロなどの使用時に違和感があるときは、我慢せずに使用をやめるのが肝要です。くるぶし、すね、ひたいといった皮膚の薄い部位が低温やけどを起こしやすいとい
われています。特に高齢者は若い世代と比較すると、皮膚が薄く、感覚機能も低下するため注意が必要です。皮膚が赤くヒリヒリしているうちであれば、冷水で冷やすことで対処できる場合もあります。ただし冷やしすぎると低温症や凍傷になることもあるため注意してください。これくらいなら大丈夫だろうと自己判断すると重症化する可能性も。医療機関での診察をお勧めします。

“あったかグッズ”を 正しく使って低温やけどを予防

1 寝る前に湯たんぽを布団から出しましょう。
2 直接、肌に触れないようにしましょう。
3 使用前に破損していないかを確認しましょう。

まとめ

寒さ対策として、ゆたんぽの使用が増えるこの時期、高齢者がゆたんぽを使用する場合は、本人だけでは気付きにくいことがあります。ご家族・事業関係者の方々が注意喚起を行い、事故の防止に努めましょう。