コラム2020/07/13
どうやって質を落とさず、オンラインでモニタリングやサービス担当会議を効率化させるのか
どうやって質を落とさず、オンラインでモニタリングやサービス担当会議を効率化させるのか
今月7日に日本介護支援専門協会の会見が開かれました。本会見では、サービス担当者会議やモニタリングにオンラインミーティングツールなどを活用することについて触れられ、同協会はルール上明確に可能にすることに前向きな姿勢を示しました。
大切なのは上手な使い分け
日本介護支援専門協会の七種秀樹副会長は、本会見にて、オンラインミーティングツールなどの活用に前向きな姿勢を示しつつも、上手に使い分けることが肝要であると述べています。
訪問そのものが介護者の負担となって本当に訪問を必要としている人に支援が届かないことは本末転倒であると指摘し、ツールをうまく使い分け業務負担を軽減することで問題解決に繋がると述べています。一方で、ツール利用は業務軽減を目的としているが、単にICTで楽に済ませてしまうということでは本当の支援につながらないとも指摘し、以下のような課題があると述べています。
「実際に居宅へ赴き、利用者の顔を見て、その場の空気や匂い、周辺の状況などをしっかりと把握することも、対人救助職として非常に大切なこと。ICTだけでいいのか、やはり居宅へ行かなければならないのか、という見極めが非常に大事になる。バランスをうまく取りながら効果的に推進していくことが課題である。」
サービス担当者会議やモニタリングをめぐっては現在、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて柔軟な運用が容認されていますが、本来は利用者の居宅で実施することが原則となっています。今月2日の政府の規制改革推進会議では、witthコロナ、アフターコロナに於いても、オンラインミーティングツールなどで訪問を代替できる扱いを恒久化すべきと提言されました。
また、七種副会長は、ICTの上手な使い分けをしていく上で、そこをきちんと見極められる目をもった介護支援専門員を育てていくことにも注力する必要があることを語り、協会としてそういった教育にも力を入れると明言しています。
まとめ
今回は、WEBを活用したサービス担当者会議やモニタリングについての会見をご紹介させて頂きました。ポイントは100%の移行ではなく、「使い分け」であることが強調された内容でした。必ず不足するマンパワーを効率よく分配して一人でも多くの方が安心して生活していくためにはICT導入は必須といえるでしょう。政府が7月8日に開催した経済財政諮問委員会では介護の分野にも言及した内容で社会全体のデジタル化などに集中投資する考えが示され、ニューノーマルへ転換していく意思を前面に打ち出す内容でした。来週中にも「骨太方針」が閣議決定されるようです。