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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

医師には直接言えない「本音」の部分を相談員さんなら伝えしやすい

ケアマネージャー

医師には直接言えない「本音」の部分を相談員さんなら伝えしやすい

オレンジ居宅介護支援事業所(名古屋市瑞穂区新開町24番地49)

ケアマネージャー稲熊久子様(管理者)、市原美子様

ご利用者さまについて

愛知県名古屋市瑞穂区を中心に居宅介護支援サービスを提供されています。

大きなカインズホームが目印!入り口の扉には事業所の名前にもなっているオレンジのマークが!とっても明るい広々としたオフィスで、笑顔が素敵な女性ケアマネさん(稲熊さん、市原さん)がインタビューにお答えしてくれました

ケアマネージャー様の声

オレンジ居宅さんは特定事業所(Ⅱ)を取られておりますが、他に「ここが特徴!」みたいな部分を教えていただけますか。

※「特定事業所」とは、質の高いケアマネジメントを実現している居宅介護支援サービスを行っている事業所のこと。国の定める一定の条件を満たし、届け出を行うことにより適用される。

稲熊CM-今(在籍ケアマネが)4人なんですが、全員主任ケアマネです。それと、ケアマネの経験年数が一番少ないケアマネで9年。で、その他が10年、14年、15年といった感じで、みんな結構(経験年数が)長いですね。

※在宅医療のイメージについて以前と比べて何か変化はありますか

※在宅医療とは、国民のニーズ変化に対応する目的に加えて、病床削減の受け皿にしたいという狙いあり、医師などの専門職が患者の自宅や高齢者住宅、介護施設などを訪ね、終末期の緩和ケアなどを提供する医療ビス。医療や介護が必要な状態になったとしても、できる限り住み慣れた地域で暮らせるよう、高齢化に対応する新たな類型として、政府が推進している。

市原CM-在宅診療のクリニックがまず凄く増えたという印象です。また、訪問診療に切り替えるハードルが低くなったなというのは感じます。以前はもう病院に行けなくって、ガンの末期だったりとか、重症の方たちだけが在宅医療の対象患者さんなのかなという印象が最初のころは何となくありました。しかし、最近では、「何とかして病院に通おうと思えば行けそうなんだけど、でも家族も負担があって…」というような方でも、在宅医療を受けられる空気感ができてきたと感じています。

稲熊CM-今はすごく選択肢が増えた思います。在宅医療の先生によっても考え方の違いがあるかもしれませんが、何かあったら病院を選択肢に入れておいて、日ごろの診療は在宅医に診てもらうという選択肢が広がったことで、在宅の生活がより過ごしやすくなったと感じています。

在宅医療の良いところ(利用者さんの満足度や生活の質)は?

市原CM-最近、在宅医療に移行した利用者様は、大きな病院に通院していて、病院だと複数の科に通うじゃないですか。各科で色々薬を出してもらうわけなんですが、在宅診療の先生にお願いしたら、全体の薬を見て、どの薬が多いとか、整理をしてくれました。また、先生がすごく丁寧に話をきいてくださり、ご本人様に直接お家で説明をしてくれたので、そのおかげでご家族様がとっても安心されたのと、先生を信頼されて、お家での暮らしを安心して送れるようになりました。「もうちょっとお家で暮らせるなー」って、在宅医療のおかげでそうやって思えたケースが本当につい最近あって、それは本当に良かったなって思えましたね。

ケアマネさんにとっての”良い先生“とは

稲熊CM-ケアマネジャーの立場からいうと、まずは話をしっかりと聞いてくれる先生が良い先生なのではないでしょうか。私は医療的なことは詳しくないので、先生に質問したときに、わかりやすく説明してくれる、ケアマネだけではなくて、ご本人やご家族にも丁寧に対応してくれる先生は良い先生だと感じます。

情報共有ツール(はち丸ネットワークや他ツール)の利用について

稲熊CM-先生によっても、ツールは違いますが、私たちは情報を各所に送る訳なんですけど、電話もしなきゃいけない、FAXもしなきゃいけない、ツールも見なければいけないっていうのは結構手間だったりします。そういう時にツールを見るのが正直ちょっと手間かなーっていうのはありますね。訪看さんと先生とでパパパッってチャットとかでやり取りしてるのを後から見ると「うわ~!何か返さなきゃ~!」って焦ります(笑)

市原CM-先生と訪看さんとのやり取りに専門用語が沢山出てきたりして、それを理解するために調べながら読んだりするんですけど、そこに更に何かコメント入れるってなると少しプレッシャーだったり。

稲熊CM-ただ、やっぱりわかっておかないといかんかな~って思いますよね。私たち(ケアマネ)が全体を把握して、医療と介護と家族と本人と…やっぱり全部を見てなきゃいけないので。返信は遅れるかもしれないけど、ちゃんと見ていたいなとは思います。

ターミナル期の患者様へのケアマネの関わり方―

稲熊CM-ターミナルとか医療依存度の高い方になると、先生とか訪看さんが、主になって動いてっていう風にどうしてもなってしまうところがあります。ただ、私たちが本来見なければいけないのは生活全体です。その全体の中の一部分に医療があるし、一部分には介護もあるし、一部分にはその先の家族の生活もある。生活を見る部分をケアマネージャーは大事にしなきゃいけない。まだまだ未熟で上手くできないことも多いのですが(笑)。どうしても「医療が主なんだ…。先生、看護師さんが主なんだ…」ってなっちゃうこともあるので…(笑)。状態が良くなることも大事なんだけど、私たちが一歩二歩下がって、さてはて、この状態を家族がどう思っているかやその先のことも考えなきゃいけない。

施設よりも在宅が良いと思ったエピソード

市原CM-施設に入所されている方が、「自分の好きなものを食べたい」って言われたんです。その施設の先生は、「いやいや、誤嚥性肺炎のリスクが高いから、ダメだよ」って当然いうのですが、ご本人は、「いや、もうどうなってもいいから、とにかく美味しく食べたい」と。話し合いの末、お蕎麦を用意していただき、「お蕎麦がこんなに美味しいものだとは思わなかった」って凄い喜んでいました。施設や病院ではリスクを最大限に抑える必要があります。一方在宅では、患者ご利用者さんと専門職がきちんと話し合って、リスクを承知したうえで、想いに寄り添ってあげることもできます。例えば、食べたいおかずがあれば、一種類だけ変えてあげることもできる。在宅医師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど多職種が協力することで、ご本人とご家族の希望をできる限り叶えてあげられることが在宅の良さかなと思いますね。

ちくさ病院の相談員のイメージ

稲熊CM-ケアマネージャーからするとやっぱり相談員さんって凄く有難いですよ。ちょっとした事とか、けどやっぱり報告しておきたいなーってことを気軽に電話できるのは相談員さんかなって。また、医師には直接言えない「本音」の部分を相談員さんならお伝えしやすい。また、急ぎで調整が必要なケースとかも相談員がいないと対応しきれない場合も多いので、相談員さんがいることで、調整がスムーズで助かります。

介護を利用する高齢者の方々に向けてのメッセージー

市原CM-今は新型コロナのこともあって、落ち込んだりすることも多いかもしれませんが、何とかコロナに打ち勝って、前みたいな生活を取り戻して欲しいなと願ってます。在宅介護を必要としている高齢者の方は、家族に困ってることや言いにくいこともあると思いますが、そういうときは、ケアマネージャーに相談して欲しいなって思います。

稲熊CM-やはり、本音を言って頂きたい。「こういうのは嫌です」とか、費用の面でも。あと「こういうことって、私あまり好きじゃない」とか、それはもう家族の目線でもいいです。「本人はこういう人だったので、こういうことってあまり好きじゃないです」とか。そういうことを言って頂いた方が、私たちは有難い。「こんなこと言ったらケアマネさんに悪いかな」って思ったり、「何回も何回も足運んでくれるし、ようやってくれるから悪いな」って思って言わない方が、私たちもわからない。その方の70年80年の歴史もわからないし、そこに寄り添っている娘さん、息子さん、お嫁さんのこともわからない。特にお嫁さんとかの気持ちも吐露して頂きたい。よく「ごめん、また愚痴言っちゃった。ごめんね、ずっと愚痴ばっかり…」とかおっしゃられるけど、言わないと爆発しちゃって、「もう無理だから施設」ってなってしまう。「え、まだできるかな」とか思う方でも、精神的にダメになっちゃうので、もう愚痴でもなんでも言って頂いて、私たちも「そっか、そういう気持ちなら、デイサービスをもう一回増やそうか」とか、色々作戦も練れますし、悪いなーって思って言わないと、「え、そうやって思ってたんだ」って、後からなって、それはすごく悲しいし…ってところですかね。悔いのないというか、本当にひと家族ひと家族想いが全然違うので、なので、それに寄り添おうと頑張っているので、私たちも悩むし、一緒になって悩んで、良い解決策を見つけたいって思っているので、本音を言って頂いていいかなって思います。

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