症例紹介 在宅医療2021/05/13
【輸血の在宅症例】 ちくさ病院 総合内科医
在宅医療症例紹介 Vol.4
■患者情報
60歳の患者様
■家族構成
お子様と二人暮らし
■現病歴
造血腫瘍に対して抗がん剤治療を受けてこられた。しかし、再発を認め、抗がん剤の再治療を受けられていた。
経過中に感染症を発症され、入院して抗生剤治療を受けられていたが、腫瘍による貧血進行も認め、輸血が必要となってきた。さらなる抗がん剤治療も検討されていたが、長期渡る治療や状態の変化が心身ともに強い負担がかかるようになった。ご自宅への退院希望が強くなり、当院の訪問診療を導入する方針となった。退院前の合同カンファレンスにて、在宅輸血も試行考慮することとなった。
■在宅での経過
輸血を在宅で思考するためには、アレルギーなどの副作用への対応が必要となるため、訪問看護の介入が必須となる。そのため、輸血に慣れている訪問看護ステーションを探し、導入をお願いした。その後、事前に自宅で訪問看護師さんに採決をしていただき、その値を見て、訪問診療の日までに輸血準備するという計画を立てた。
退院後の採血では、やはり貧血の進行を認め、上記の計画通り在宅にて輸血を施行した。訪問看護師さんと連携し、何かあったときにすぐ対応ができる体制を整えて臨んでいるが、その後も幸いにも副作用なく輸血を施行できている。
■ちくさ病院医師からのメッセージ 総合内科 蓮尾隆博
様々な疾患をお持ちの患者様がいらっしゃいます。場合によっては、特殊な治療の継続が必要となることがあります。
上記の患者さんのように、訪問看護師さんと協力することで、当院では在宅で輸血を行うこともできます。その他にも、在宅医療でできるだけの治療を行えるように体制を整え、スタッフ一同研鑽を積んでおります。