コラム2021/03/29
EPA外国人の介護福祉国試の合格者が過去最多に
厚生労働省は26日、EPA(経済連携協定)の枠組みで来日した外国人について、今年度の介護福祉国家試験の結果を公表しました。
EPAとは??
EPAとは「Economic Partnership Agreement」の略称です。その協定内において、経済交流、連携強化の一環として、特例的に看護・介護人材の候補者を受け入れるものです。EPA自体は2018年8月時点で世界18ヵ国・地域と発行・署名済みとなっており、その協定に基づいた経済交流が進められています。
EPAとは経済交流のための二国間協定であり、一方的にどちらかの国にメリットがあるのではなく、双方にとってメリットがある状態を目指すものです。介護分野における人材医受け入れに於いては、送り側にとって、雇用対策、技術移転、所得増加のような目的があり、受け入れ側にとっては人材資源の確保という事になります。
日本側としては、介護福祉士の資格を取得して受け入れ終了とするのではなく、その後も日本国内で働き続けてもらえるように、資格取得者に対して在留資格の変更が無制限で可能な措置を設けています。
インドネシアは2008年、フィリピンは2009年、ベトナムは2014年からそれぞれ受け入れが始まりました。
今年度のEPA外国人の介護福祉士国家試験合格率
今回も前回に引き続き、受験者数、合格者数ともに過去最多を更新しました。来日した人の増加が要因で、受験者数は対前年度比195人増の953人。合格者数は同103人増の440人でした。
合格率は同1.7ポイント増の48.2%となっています。日本人も含めた全体の合格率は71.0%です。
合格者詳細
合格者を国別で見てみましょう。ベトナムの164人(合格率92.1%)が最も多くなっています。インドネシアは146人(36.5%)、フィリピンは130人(34.7%)でした。
これまでに合格したEPA外国人の総数は1762人。日本と3か国のEPAでは、介護福祉士の資格取得を目指す候補者について、最大4年間の滞在を認めています。ただ、今回不合格だった候補者も、得点が一定水準以上だったなどの条件を満たす場合は、1年間の滞在延長が認められています。
まとめ
今回は、EPA外国人の介護福祉士国家試験の今年度実績についてご紹介致しました。外国人雇用に関しては、当院の第10回WEB勉強会(2021年3月30日)でも取り上げさせて頂きます。
https://chikusa-zaitaku.jp/news/p826/
今後も外国人の介護業界への参入に関する情報があれば、随時皆様にお届けさせて頂きます。