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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

新しい生活様式~“熱中症対策のポイント”~

コラム2020/06/15

新しい生活様式~“熱中症対策のポイント”~

新しい生活様式~“熱中症対策のポイント”~

厚生労働省は、5月4日、新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージいただけるよう、今後、日常生活の中で取り入れていただきたい実践例をホームページに掲載しています。一方で、「新しい生活様式」おける、マスクの着用、身体的距離の確保などは一部熱中症のリスクを高めるのでは?という懸念があることから、「新しい生活様式における熱中症予防行動のポイント」が発表されています。今年の夏は、新型コロナウィルスの感染予防と熱中症予防を同時並行で行っていく必要があります。

マスクの着用について

マスクは飛沫の拡散予防に有効で、「新しい生活様式」でも一人ひとりの方の基本的な感染対策として着用をお願いしています。ただし、マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。
したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。

外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。。

エアコンの使用について

熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。

涼しい場所への移動について

少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効です。一方で、人数制限等により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合もあると思います。その際は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。

日頃の健康管理について

「新しい生活様式」では、毎朝など、定時の体温測定、健康チェックをお願いしています。これらは、熱中症予防にも有効です。平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできます。日ごろからご自身の身体を知り、健康管理を充実させてください。また、体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

リーフレットも掲載されています

 厚生労働省のホームページでは令和2年度の熱中症予防行動のリーフレットも掲載されています。ダウンロードが可能となっているので、利用しやすいです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000642298.pdf

まとめ

今回は、新型コロナウィルスの感染予防対策における「新しい生活様式」と熱中症対策のポイントをご紹介いたしました。感染拡大予防の為に「新しい生活様式」を政府が積極的に掲げている一方で、外出自粛や人との接触を控える生活が長引くことで「フレイル(虚弱)」や要介護度の進行を加速させる「二次被害」を懸念する記事が朝日新聞に掲載されていました。名古屋では、感染を避けるための利用控えはもうほとんどなくなっているという現場の声を耳にしていますが、再びクラスターが発生したり、感染拡大の動きが再度強まったりする可能性は十分に考えられます。
私たちは、3密を避けるための新しい生活様式を取り入れながら、熱中症や感染予防の「二次被害」を起こさせないための工夫をしなければなりません。今までの常識が通用しなくなってきている今だからこそ、細やかな情報交換、アイディアの共有、並びにコミュニケーションが更に重要となってきています。