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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

コラム2020/06/09

コロナでニッポン人の死生観が変化している?~在宅医療の現場から~

コロナでニッポン人の死生観が変化している?~在宅医療の現場から~

毎週火曜日、PM10時~10時54分にテレビ東京系にて放送中の“ガイアの夜明け”。次回6月9日の本番組は、「全ての人に“自分らしい”最期を~コロナで変わるニッポン人の死生観~」というテーマで放送予定となっています。

変わる死生観

新型コロナウィルスによる死者数は世界全体で39万人に達していますが、いまだに具体的な出口は見えない状況で、我々は終わりの見えない闘いの中にいます。
新型コロナウィルスで亡くなることは、遺される家族にとっても辛い現実が待っています。感染防止の要請から最後のお別れを果たすことができないことです。日本人の多くがこの残酷な事実を知ったのは、3月末に新型コロナウィルスで亡くなった志村けんさんの遺族が、遺骨になってから初めて志村さんと対面できたという事実をメディアが報じてからでしょう。
このような事実に対して、深刻な悲壮感を感じるのは日本人に特有の「最期の瞬間に間に合わなかったことを悔やむ」考えがあるからで、愛する家族の最期に立ち会うことはせめてもの慰みであり、これを逃すことは痛恨の極み以外の何物でもないという考えに起因するからでしょう。
新型コロナウィルスの感染発覚から非常に短期間で訪れる死は、このような「忌むべき死に方」、災害による行方不明にもよく似た「突然訪れる喪失」を人々にリアルにイメージさせました。
先進国が戦場以外で死がこれほどリアルに感じられたことは、戦後初のことかもしれません。いつ訪れるかもしれない「理不尽な死」に直面させられたことで、我々の死生観は大きく変わってきています。
6月9日、午後10時から放送予定の「ガイアの夜明け」では、「いつ死ぬかわからない」、「もう会えないかもしれない」という不安を人々が感じる今、自宅で“自分らしい”最期を選択する人々とそれを支えるスタッフの光景を伝える内容となっているそうです。

番組の概要

誰にでもいつかは訪れる“人生の最期”。それをどこでどう迎えたいか。自分だけでなく家族、さらには社会全体のあり方にも関わる重要な課題だ。調査によると、多くの人が最期を自宅で「自宅で迎えたい」と希望しながら、現実は圧倒的に「病院」で亡くなる人が多いというギャップがある。
そんな中、最期まで「自分らしい生き方」を「自宅」で全うしたい、という人たちの願いを実現する“看取りのプロ”たちがいる。東京・船橋にある「やまと診療所」だ。ここでは患者の希望が最優先。医者の判断のもと、命に関わることでなければ、患者がやりたいということを叶える。さらに最大の特徴が、医師だけでなく、独自で養成した医療アシスタントたちが患者や家族に徹底的に寄り添うという事。医者では目や手が届かない細やかなケアをすることで、患者や家族が安心して最期を迎えることができるという。
新型コロナウィルスの感染拡大で、人々の死生観も大きく変わってきている今、「自分らしい最期」の迎え方について、改めて考える。

番組ホームページはコチラ↓↓↓
https://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

まとめ

今回は、在宅医療と在宅看取りを伝える番組のご紹介をさせて頂きました。最近お聞きした話では、新型コロナウィルスの影響で面会ができない家族が、せめて最期だけは自宅に帰したいと在宅医療を依頼するケースがあったということです。
当院の相談員は、死は「無」ではなく、後世への「バトン」であると表現しています。私たちは本人が渡したバトンを残された人々がしっかりと受け取れるようコーディネートする必要があります。
今回の番組では、やまと診療所の在宅医療の取組や独自で構築している人材育成プログラムなど、学ぶべきポイントが多くあると思いますので、ぜひ、関係者の皆様もご覧いただければと思います。