コラム2020/05/18
個人宅への訪問看護が可能となりました~訪問診療よりも訪問看護が重要?~
個人宅への訪問看護が可能となりました~訪問診療よりも訪問看護が重要?~
多死社会化に伴い、特に都市部においては在宅医療の不足が深刻化すると予測されており拡充することも重要ですが、「訪問看護」hは、より重要といっても過言ではありません。
終末期の人生の最終段階では、医療によって改善できる範囲は徐々に限定されていきます。もっとも、がんの一部や重症心不全などの患者さんには、医療が関わり続けなければならないケースも存在しますが、多くの場合、医療の役割は小さくなっていきます。
一方、相対的に増大していくのはケアの役割です。特に看護師は、医療とケアをつなぐとともに、その両方の役割を担うキーとなる職種です。
下記のデータみていただくと、日本の訪問看護師は、看護就業総数164万人に対しわずか4万人。人口あたりの就業看護師数は北欧の福祉先進国と比べてもさほど遜色はありませんが、訪問看護(地域看護)の領域で活躍する看護師は、フランスの3分の1、オランダの7分の1、そしてスウェーデンの10分の1です。高齢化の状況を見ても圧倒的に不足していると思いますし、在宅死率と人口あたりの訪問看護師数には相関もありそうです。
『訪問看護アクションプラン2025』
http://www.jvnf.or.jp/2017/actionplan2025.pdf
日本の在宅医療の制度は、仕組みとしては国際的にもかなり完成度が高いといわれますが、在宅医だけでは看取りが支えられないことは明らかです。訪問診療と訪問看護、介護サービスがより適切に役割分担しつつ、保険外の地域のリソースも上手に活用していくことが求められています。
当法人では、俯瞰的に地域全体のヘルスケアを支えていくことをミッションとし、在宅医療、訪問看護、介護サービス、医療介護における領域で多角的にサービスを提供させていただいております。
今月の5月からちくさ病院として、個人宅への訪問看護のサービスが提供できるようになりました。
訪問診療とセットでお願いしたい、まずは訪問看護だけをお願いしたい、情報共有が煩雑で統一してほしいなど、ご要望・ご相談がありましたら、在宅医療推進部の杉山までご連絡いただければ幸いです。