在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/06/22
慢性心不全による通院負担増大と再入院反復リスクに対し、在宅管理へ移行した高齢女性の事例
要点サマリー
慢性心不全と狭心症を有し、外来受診負担の増大と再入院リスクが課題となっていた88歳女性に対し、訪問診療を導入した事例である。在宅医療では循環動態管理と再増悪予防を中心に介入し、本人希望を尊重した在宅生活継続を支援した。ケアマネジャーにとっては、同居家族の介護負担軽減と急変兆候の早期把握体制構築が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:88歳・女性
居住地:該当なし
世帯構成:親子
キーパーソン:長男嫁(同居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険
介護保険:要介護3
診断名
・慢性心不全
・狭心症
導入の背景
慢性心不全による呼吸苦や易疲労感が徐々に増悪し、外来通院そのものが身体的負担となっていた。過去にも心不全増悪による入院歴があり、本人、家族ともに再入院への不安を抱えていた。
長男夫婦と同居していたが、通院介助や日常的な体調管理負担が増大しており、在宅で継続的な医療介入を受けながら生活を維持したいという本人希望を踏まえ、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、呼吸状態、浮腫、体重変動など心不全増悪兆候の評価を継続した。服薬状況や食事、水分管理についても確認を行い、無理のない範囲で生活と両立できる管理を意識した。
また、長男嫁を中心とした介護体制に対して、急変兆候や受診判断の目安を共有し、早期対応可能な体制を整備した。結果として、在宅で状態安定を維持しながら生活継続が可能となっている。
医療対応の詳細
主病
慢性心不全、狭心症
対応内容
・呼吸状態、浮腫、体重変動の定期評価
・慢性心不全に対する継続的内科管理
・服薬状況確認および生活指導
・再増悪兆候の早期把握と急変時対応整理
・家族への病状説明と介護負担軽減支援
医療処置
該当なし
支援のポイント
・外来受診負担増大を契機とした訪問診療導入
・再入院予防を目的とした継続的在宅管理
・本人希望を尊重した生活継続支援
・同居家族への病状理解支援と急変時対応共有
・要介護3に応じた介護負担軽減の視点
・生活と治療を両立させる現実的な慢性管理
考察
本症例は、慢性心不全において、治療継続だけでなく、再入院を防ぎながら生活を維持することが重要課題となった事例である。高齢患者では外来通院自体が身体的負担となり、受診継続困難が状態悪化につながることも少なくない。
訪問診療を導入することで、心不全管理を在宅へ移行しながら、本人希望に沿った生活継続と再入院予防の両立が可能となった。ケアマネジャーにとっては、医療管理のみならず、家族介護力や急変時対応力を含めた在宅支援体制を総合的に調整する視点が求められる。
付記情報
・診療科:内科、循環器内科
・病態・症状:心不全
・世帯構成:親子