在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/03/11
かかりつけ医不在で介護認定申請が進められない独居高齢女性に対し、医療体制構築を目的に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
主疾患が明確でないものの、介護認定申請を希望している独居高齢女性の症例である。かかりつけ医が不在で主治医意見書の作成が困難な状況であったため、訪問診療を導入し医療的窓口を確保した。在宅生活を維持しながら介護サービス導入へつなげるため、医療と介護の初期体制構築が支援の軸となった。ケアマネジャーにとっては、医療機関との接点がないケースにおける導入支援が重要なポイントとなる。
基本情報
年齢・性別:80歳 女性
居住エリア:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:長女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険(1割負担)
介護保険:未申請(介護認定申請希望)
診断名
・高血圧症
・糖尿病
導入の背景
本人は今後の生活不安から介護認定を希望していたが、長期間かかりつけ医がなく、医療機関受診の機会も乏しい状況であった。そのため主治医意見書の依頼先がなく、介護保険申請を進めることができない状態であった。
独居で支援者が限られていることから、医療と介護の両面で体制を整える必要があり、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、まず全身状態の把握と生活状況の評価を行った。診察の結果、高血圧症および糖尿病が確認され、身体機能低下や生活支障の有無を含めて経過観察を継続した。
長女と連携しながら、介護認定申請に向けた主治医意見書作成の準備を進め、今後必要となる介護サービス導入の調整を開始した。医療機関との接点が確保されたことで、在宅支援の基盤が整い始めている。
医療対応の詳細
主病:高血圧症、糖尿病
対応内容
・初期評価(全身状態および生活機能の確認)
・医療的課題のスクリーニング
・介護認定申請に向けた主治医意見書作成支援
・家族(長女)への状況説明および今後の方向性共有
医療処置:該当なし
支援のポイント
・かかりつけ医不在ケースにおける医療導入支援
・介護認定申請の前提となる主治医確保
・独居高齢者に対する支援導線の整備
・長女との情報共有による意思決定支援
・介護サービス開始を見据えた多職種連携の準備
考察
本症例は、疾患治療を主目的とするものではなく、医療体制の入口を確保することが訪問診療導入の主目的となった事例である。独居でかかりつけ医がない場合、介護保険申請やサービス導入が停滞しやすい。
ケアマネジャーにとっては、医療機関との接点を早期に整えることが介護支援開始の前提となる。訪問診療は、こうした初期段階から在宅生活を支える役割を担う。
付記情報
・診療科:内科
・病態・症状:その他
・世帯構成:独居