在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/02/26
アルツハイマー型認知症による短期記憶障害で通院困難となった独居男性に対し、内服管理を軸に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
アルツハイマー型認知症による短期記憶障害が進行し、外来通院および自己管理が困難となった独居高齢男性の症例である。内服忘れや服薬重複のリスクが高く、在宅療養継続には服薬管理体制の構築が最重要課題であった。別居の長女がキーパーソンとなり、訪問診療導入により認知症フォローと服薬支援を実施した。ケアマネにとっては、独居支援導線の整理と多職種連携による内服管理がポイントとなる。
基本情報
年齢・性別:82歳 男性
居住エリア:記載なし
世帯構成:独居
キーパーソン:長女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険(1割負担)
介護保険:要介護3
診断名
アルツハイマー型認知症
導入の背景
短期記憶障害が顕著となり、外来通院の予定を忘れるなど受診継続が困難な状況となっていた。独居であるため日常的な支援者が限られ、内服管理を自己完結できない状態であった。
服薬忘れや誤薬による病状悪化リスクが高く、在宅療養を継続するためには訪問診療導入が必要と判断された。別居の長女が支援調整の中心となった。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、認知症症状の評価と全身状態の確認を定期的に実施した。特に服薬管理を支援の軸とし、内服状況の確認と調整を行った。
長女と情報共有を行いながら、訪問看護やヘルパー導入を含めた支援体制を整備し、服薬支援を多職種で担う体制を構築した。その結果、内服忘れの頻度が減少し、在宅療養の継続が可能となった。
医療対応の詳細
主病:アルツハイマー型認知症
対応内容:
・認知機能評価および経過観察
・服薬状況の確認と内服調整
・誤薬防止を目的とした管理体制の構築
・家族(長女)への病状説明および意思決定支援
医療処置:該当なし
支援のポイント
・独居における内服管理困難を主要課題として整理
・服薬カレンダーや一包化など具体的な支援策の導入
・別居家族(長女)との連携強化
・訪問看護・介護サービスを活用した多職種支援導線の整備
・認知症進行を見据えた今後の生活支援計画の検討
考察
本症例は、独居認知症高齢者において内服管理が在宅療養継続の鍵となることを示す事例である。短期記憶障害により自己管理が困難となるため、医療と介護が連携した服薬支援体制の構築が不可欠である。
ケアマネにとっては、独居支援導線の整理と、服薬管理を中心としたサービス調整が重要であり、訪問診療導入により通院困難例でも安定した在宅生活を支えることが可能となる。
付記情報
・診療科:内科、精神科
・病態・症状:認知症
・世帯構成:独居