在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/02/25
通院負担と歩行不安の進行を背景に訪問診療へ移行した関節リウマチ症例
要点サマリー
関節リウマチを有する高齢男性である。屋内は車いす、院内は歩行器での移動を要し、通院時の身体的・心理的負担が増大していた。歩行に対する不安の進行を契機に、本人の明確な希望で訪問診療へ移行した。在宅リハビリとの併用で生活の安定化を図った点がケアマネ向けの要点である。
基本情報
81歳、男性。名古屋市港区在住。妻(要介護5)および長男と同居している。
保険・福祉情報
生活保護受給。介護保険は要介護2である。
診断名
関節リウマチ
導入の背景
自宅内は車いすで移動可能であったが、近隣病院受診時はタクシー移動に加え、院内で歩行器を使用していた。訪問看護によるリハビリが週3回介入していたものの、本人より歩行に対する自信低下と不安の訴えが増加した。通院が精神的負担となり、次回受診を最後に訪問診療へ切り替えたいとの本人希望が明確となった。
介入内容と経過
本人の意思を尊重し、外来受診から訪問診療へ切り替えた。既存の訪問看護リハビリと連携し、在宅での体調管理と関節症状の評価を継続した。通院に伴う移動負担が解消され、生活の安定化が図られた。
医療対応の詳細
関節リウマチに対する内科的管理および全身状態の定期評価。
特別な医療処置:該当なし。
支援のポイント
歩行能力の低下そのものだけでなく、「歩くことへの不安」が通院継続を困難にする重要因子である。本人の希望を起点に、訪問看護リハビリと訪問診療を併用することで、在宅療養への移行が円滑となった。
考察
本症例は、身体機能が一定程度保たれていても、心理的要因が通院困難を招くことを示している。関節リウマチ患者においては、移動様式や不安感の変化を早期に把握し、訪問診療への移行を選択肢として提示する意義が大きい。
付記情報
・診療科:内科
・病態・症状:その他(関節リウマチ)
・世帯構成:その他(夫婦+成人子同居)