在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/02/25
脳出血後遺症により通院困難となり在宅療養を支えるため訪問診療を導入した症例
要点サマリー
左脳出血後の右片麻痺を有する比較的若年の女性症例である。身体機能障害により外来受診が困難となり、在宅生活継続のために訪問診療を導入した。リハビリ後の生活リズムや介護サービス利用状況を踏まえ、柔軟な診療体制を構築した点が特徴である。
基本情報
61歳、女性。名古屋市南区在住。夫と同居している。
保険・福祉情報
後期高齢者医療保険1割負担。介護保険は要介護2である。
診断名
左脳出血
右片麻痺
導入の背景
意識障害を伴い救急搬送され、左脳出血に対して緊急で内視鏡下血腫除去術が施行された。一時的に気管切開を要したが、その後は気管孔閉鎖となり、発語も徐々に回復した。老健でのリハビリを経て、屋内は車いすで自走可能な状態まで改善したが、右片麻痺が残存し、外来通院は現実的に困難な状況であった。
介入内容と経過
老健退所後は在宅生活を継続する方針となったが、身体機能障害により通院負担が大きいことから、訪問診療の相談に至った。平日はショートステイを利用することが多く、本人および家族の生活リズムを考慮し、定期訪問は土曜日枠で対応する形で訪問診療を開始した。
医療対応の詳細
脳出血後遺症および片麻痺に対する内科的・全身管理。
特別な医療処置:該当なし。
支援のポイント
比較的若年であっても、脳血管障害後遺症により通院が困難となるケースでは、訪問診療が在宅生活の前提条件となる。介護サービス利用状況を踏まえ、診療曜日や時間帯を柔軟に調整することで、本人・家族双方の負担軽減につながった。
考察
本症例は、急性期治療後から在宅復帰に至る過程で、外来通院の代替として訪問診療を位置づけた事例である。医療的重症度だけでなく、移動能力や生活リズムを評価することが、訪問診療導入判断において重要であることを示している。
付記情報
・診療科:内科
・病態・症状:脳卒中(脳出血)
・世帯構成:夫婦のみ