在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/02/25
進行性間質性肺炎により通院継続が困難となり、家族同居を契機に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
進行性間質性肺炎および肺線維症により呼吸症状が進行し、定期通院が困難となった症例である。家族が同居し生活支援は可能であったが、医療的フォロー体制が不十分であったため、退院を契機に訪問診療と訪問看護を導入した。介護保険未申請の状態から支援体制を再構築した点が特徴である。
基本情報
79歳、女性。長久手市在住。長男、長女、次男の子どもがいる。次男が引き取り同居している。
保険・福祉情報
後期高齢者医療保険1割負担。介護保険は未申請であり、訪問診療導入にあわせて申請を進める方針となった。
診断名
進行性間質性肺炎
肺線維症
導入の背景
これまで就労を継続していたが、呼吸器疾患の診断後も経過観察のみで、定期的な通院が継続できていない状況であった。症状の進行により受診回数が限られ、転倒を契機に入院となった。主治医より介護保険申請を勧められていたが未対応であり、退院後の生活を見据え、改めて申請を行う必要が生じた。家族としては同居による生活支援は可能であるものの、通院を前提とした医療体制の維持が困難であったため、訪問診療導入が検討された。
介入内容と経過
退院前カンファレンスにて、在宅療養継続に必要な医療・看護体制の整理を行った。次男が就労中は家族による即時対応が難しい時間帯があることから、訪問診療に加えて訪問看護を導入し、在宅での観察・支援体制を構築した。介護保険については申請を進め、今後のサービス調整を行う前提で介入が開始された。
医療対応の詳細
呼吸状態および全身状態の定期的な医学的評価。
病状進行に応じた療養方針の調整。
医療処置:該当なし。
支援のポイント
同居家族の支援意向がある場合でも、医療的フォローが不十分となりやすい点に留意が必要である。本症例では、通院困難を明確な導入理由として整理し、訪問看護を併用することで家族不在時のリスクを補完した。介護保険未申請の状態から医療・介護体制を再構築した点も重要である。
考察
進行性呼吸器疾患では、症状悪化とともに通院継続が困難となるケースが多い。本症例は、家族同居であっても医療アクセスが確保できなければ在宅生活の継続が難しくなることを示している。訪問診療を早期に導入し、介護保険申請や訪問看護と組み合わせることで、在宅療養を現実的な選択肢とすることが可能となった。
付記情報
・診療科:内科
・病態・症状:COPD(慢性呼吸不全に準ずる呼吸器疾患)、その他
・世帯構成:親子