在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/01/27
転倒と圧迫骨折を繰り返し、通院による改善が難しくなった独居高齢者の訪問診療導入事例
要点サマリー
第一腰椎圧迫骨折を契機に転倒を繰り返し、慢性的な疼痛と下肢筋力低下により生活動作が不安定となっていた独居症例である。
通院治療を継続していたが、症状改善に至らず生活の悪循環が固定化していたため、医療の関わり方を「通院」から「生活に寄り添う在宅医療」へ切り替える判断となった。
ケアマネにとっては、「通院はできているが、生活機能が改善していないケース」への介入判断の参考となる事例である。
基本情報
年齢・性別:79歳・女性
居住地:名古屋市昭和区
家族構成:独居(同区内に弟あり)
保険・福祉情報
生活保護受給
介護保険:要介護3(1割負担)
診断名
第一腰椎圧迫骨折
高血圧症
導入の背景
転倒や圧迫骨折などの外傷を繰り返しており、それに伴い日常的な手のしびれや膝・肩の痛みが出現していた。
疼痛や不安感からベッド上で過ごす時間が増え、活動量の低下によって下肢筋力がさらに低下し、ふらつきや足の脱力感が目立つようになっていた。
排泄は夜間はポータブルトイレ、日中は室内トイレを使用しており、転倒リスクを常に抱えた生活環境であった。
これまで膝や肩への注射治療を含め通院は継続していたが、生活全体としては悪循環から抜け出せていない状況であり、在宅での医療介入を検討することとなった。
介入内容と経過
訪問診療により、疼痛や全身状態を生活環境の中で評価し、無理のない活動量や生活動線を踏まえた医療的フォローを開始した。
通院負荷を減らしつつ、状態変化を定期的に確認できる体制を整えることで、転倒リスクの再評価と生活の安定化を図っている。
医療対応の詳細
主病:第一腰椎圧迫骨折、高血圧症
医療対応:疼痛評価、内服管理、全身状態の定期確認
特徴:通院中心から生活視点での医療介入へ移行
支援のポイント
通院継続=状態安定ではない点を早期に見極めた
疼痛と活動量低下の悪循環を在宅で評価・調整
独居であっても医療の定期介入により安心感を確保
生活保護下でも医療アクセスを途切れさせない支援設計
考察
本症例は、通院が可能であっても生活機能が改善せず、転倒や活動低下を繰り返す高齢者に対し、訪問診療が有効な選択肢となった例である。
「病気を診る」だけでなく、「生活の中でなぜ改善しないのか」を評価できる点が在宅医療の強みであり、ケアマネの判断を支える重要な要素となる。
付記情報
診療科:内科、整形外科、その他
病態・症状:骨折、その他
世帯構成:独居