在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/01/27
通院拒否と内服管理困難を背景に、訪問診療と訪問看護を同時導入した事例
要点サマリー
脳梗塞および胃がんの既往がありながら、通院拒否により医療的フォローが途絶え、血圧管理や内服管理が破綻していた症例である。
介護サービスは利用できていたものの、医療の目が入らない状態が続いていたため、ケアマネからの相談を契機に訪問診療を導入した。
ケアマネにとっては、「サービスは使えているが医療が抜け落ちているケース」への対応例として参考となる。
基本情報
年齢・性別:86歳・男性
居住地:名古屋市千種区
家族構成:妻との二人暮らし
保険・福祉情報
後期高齢者医療保険(1割負担)
要介護3(1割負担)
福祉給付金資格者証あり
診断名
脳梗塞
胃がん
導入の背景
脳梗塞および胃がんに関して基幹病院へ通院していたが、次第に通院拒否がみられるようになり、安定した受診ができない状態となっていた。
近医にて降圧薬などの処方は受けていたものの、そのクリニックにも半年以上通院できておらず、血圧は190mmHg前後まで上昇していた。
介護サービスとしては、週1回の訪問リハビリ、週2回のデイサービスを利用しており、介護的な関わりは一定程度確保されていた。
しかし、医療面でのフォローが不十分であり、内服管理もほとんど行えていない状況であったため、ケアマネジャーより訪問診療導入の相談があった。
介入内容と経過
事前面談にて、内服管理が実質的に破綻していることを確認。
医療的な安定を図るため、訪問診療に加えて訪問看護の併用を提案したところ、本人・妻ともに理解と同意が得られた。
介入後は、在宅での血圧管理、内服状況の整理、体調変化の早期把握が可能となり、医療と介護の連携体制が整った。
医療対応の詳細
主病:脳梗塞、胃がん
医療対応:血圧管理、内服調整、全身状態の定期評価
連携:訪問看護による日常的な状態確認と服薬支援
支援のポイント
通院拒否があっても医療介入を継続する選択肢を提示
介護サービスは利用できているが医療が抜けている状態を早期に是正
訪問看護を併用し、内服管理の実効性を高めた
ケアマネ・医療・介護の役割分担を明確化
考察
本症例は、「介護サービスは利用できているが、医療的管理が機能していない」在宅高齢者に対する訪問診療導入の典型例である。
通院が難しくなった時点で訪問診療へ切り替えることで、重症化や急変のリスクを未然に抑えることができた。
ケアマネにとっては、通院の有無だけでなく、内服管理や医療的フォローが実質的に成立しているかを見極める重要性を示す事例である。
付記情報
診療科:内科、その他
病態・症状:脳卒中、がん
世帯構成:夫婦のみ