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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

在宅医療の事例紹介(個人宅)2025/11/05

進行下咽頭がんに対し通院困難となり、自宅療養を選択したケース

要点サマリー

進行下咽頭がんに伴う経口摂取不良とADL低下のため入院治療を受けていたが、本人・家族の希望により在宅療養へ移行した。
通院が困難な状況であったが、訪問診療体制を整え、症状緩和と生活支援を中心に自宅療養を継続した。
家族状況にも配慮し、負担軽減を意識した支援体制のもとで療養方針を尊重した。

基本情報

年齢・性別:86歳 男性
居住エリア:名古屋市西区
家族構成(KP):妻と二人暮らし、KPは夫
医療保険・介護保険:後期高齢者医療1割、要介護2(1割)

主病・背景

  • 前立腺がん

  • 下咽頭がん末期(肺転移)

生活背景:
本人および家族とも療養下であり通院が困難な状況であったが、自宅での療養継続を強く希望した。

訪問診療導入の経緯

2022年10月よりA病院にて下咽頭がんに対し放射線治療(65.4Gy/35fr)を施行。
照射後も腫瘍残存・肺転移を認め、2023年1月よりS-1内服を開始。
2023年7月、病状進行により経口摂取不良および体動困難となり入院。脱水は改善したが食事量やADL低下が持続。
家族も療養中で通院が難しい状況にあり、本人・家族の希望により2023年7月末より訪問診療を開始した。

介入内容と経過

診療方針:通院困難な状況を踏まえ、症状緩和と生活支援を中心に在宅療養を可能な限り継続する。

医療介入:

  • 経口摂取状況に応じた栄養・水分管理

  • 疼痛・不快感への薬剤調整

  • 全身状態の定期評価

多職種連携:

  • 訪問看護と連携し日常変化に対応

  • 家族の体調状況も踏まえたフォロー

生活支援・環境調整:

  • 家庭環境に応じた介護導線の調整

  • 家族の負担軽減へ配慮した支援体制

経過・結果:
訪問開始後は自宅での療養を継続し、状態変化に応じて緩和的介入を行った。
家族体制を考慮しながら、安心して在宅療養を続けられる支援を実施した。

支援のポイント

・通院困難な状況であったため、早期に訪問体制を確立し在宅への移行を支援した。
・嚥下機能低下に対して、経口摂取状況に応じた柔軟な管理を行った。
・家族の健康状態も鑑み、過度な負担とならないようサポート体制を調整した。

付記情報

疾患種別:悪性腫瘍/終末期
関連病名:下咽頭がん(肺転移)、前立腺がん
エリア:名古屋市西区
生活環境:妻と二人暮らし、夫がKP
介護者状況:家族も療養中で支援体制に配慮
医療負担割合:1割(後期高齢者)、1割(介護保険)