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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

在宅医療の事例紹介(個人宅)2025/09/30

精神科と内科の連携により、在宅安定支援を継続できているケース

基本情報

  • 年齢・性別:80歳・女性

  • 居住地:名古屋市名東区

  • 家族構成:独居。弟が近隣に居住し、毎日のように訪問。甥は三重県松阪市在住で、必要時には連絡可能。

保険・福祉情報

  • 医療保険:後期高齢者医療保険(1割負担)

  • 介護保険:要介護1(1割負担)

  • 公費:丸福あり

診断名

  • 統合失調症

  • 高脂血症

導入の背景

昭和50年頃、職場での人間関係不調により退職。その後、1986年に被害妄想が悪化し、約4ヶ月の入院歴あり。1988年にA病院を初診し、その後も症状の変動はあったが、1993年以降は安定して外来フォローが続いていた。近年は膝の痛みによる通院困難が顕著となり、当院への訪問診療依頼があり導入された。

介入内容と経過

  • 月2回の定期訪問を設定し、内科医と精神科医が交互に担当。

  • 二科での情報共有体制を整備し、身体的・精神的両面から継続的にサポート。

  • 導入以降は大きな増悪もなく、安定した在宅生活を継続できている。

医療対応の詳細

  • 精神科:妄想や不安の有無を確認し、内服の継続管理。

  • 内科:高脂血症および加齢に伴う身体的変化をフォロー。

  • 生活動作に影響する膝関節痛についても観察を継続。

支援のポイント

  • 近隣に住む弟の存在が、日常生活の安定と医療連携の支えとなっている。

  • 精神科と内科の二科連携により、患者の全体像を把握しながら診療を継続できている。

  • 長期にわたる精神疾患の経過においても、外来から在宅への移行がスムーズに行われた。

考察

本症例は、精神疾患と身体疾患を併存する高齢患者に対し、内科と精神科の二科体制で訪問診療を行うことの有効性を示している。家族支援が安定しており、医師間の情報共有が確立されていることが、長期的な在宅安定に寄与していると考えられる。

付記情報

  • 疾患種別:精神科・内科併存疾患

  • 病名:統合失調症、高脂血症

  • 医療処置:特記なし

  • エリア:名古屋市名東区

  • 生活環境:独居(弟が近隣で頻回訪問)

  • 医療負担割合:1割

  • 専門医介入:あり(内科・精神科)

  • 公費負担医療:丸福あり

  • 障害者手帳・認定情報:記載なし