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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

在宅医療の事例紹介(個人宅)2025/09/30

視力・体力低下で通院困難となった糖尿病患者、眼科専門医と連携した在宅支援

■ 基本情報

  • 年齢・性別:83歳・女性

  • 居住地:名古屋市瑞穂区

  • 家族構成:夫と二人暮らし、キーパーソンは次女

■ 保険・福祉情報

  • 医療保険:生活保護

  • 介護保険:要支援(1割負担)

■ 診断名

  • 糖尿病(腎症2期)

  • 両増殖性糖尿病性網膜症(PDR)

  • 両緑内障

  • 両眼内レンズ挿入眼

  • 腰部脊柱管狭窄症

  • 椎間板ヘルニア

■ 導入の背景

これまでTクリニック、C眼科へ通院していたが、視力低下や体力低下、さらに腰部脊柱管狭窄症の影響により通院が困難となった。患者および家族から訪問診療を希望され、当院が介入することとなった。眼科専門医による継続的な診療も求められていたため、対応可能な当院にて訪問診療が開始された。

■ 介入内容と経過

  • 初回訪問後、症状に応じた診療計画を作成

  • トリルシティ注射の適切な管理と指導を実施

  • 眼科専門医による定期的な評価・治療(眼圧測定・眼底検査)を継続

  • 患者の生活の質向上と病状進行防止を目的とし、訪問診療と眼科フォローを両立

  • 今後も継続的なサポートとフォローアップ体制を維持する方針

■ 医療対応の詳細

  • トリルシティ注射管理

  • 眼科専門医との連携(眼圧測定・眼底検査)

  • 糖尿病および合併症に対する生活指導

■ 支援のポイント

  • 通院困難な患者に対して、訪問診療と専門医療を組み合わせることで「治療の継続性」を確保

  • 糖尿病に伴う多臓器合併症(腎症・網膜症・緑内障)に対して多職種・専門医連携を行うことで、生活の質を維持

  • 家族(次女)と連携し、服薬・注射・生活習慣管理を支える仕組みを構築

■ 考察

本症例は、糖尿病に伴う多様な合併症を抱えた患者が、身体機能低下により通院継続が困難となったケースである。
訪問診療の導入により医療アクセスを確保し、さらに眼科専門医の関与を維持することで、合併症管理の質を担保できた点が重要である。今後も「治療の継続性」と「生活の質の維持」の両立が求められる。

■ 付記情報

  • 疾患種別:糖尿病、眼科疾患、整形外科疾患

  • 病名:糖尿病(腎症2期)、網膜症PDR、両緑内障、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア

  • 医療処置:トリルシティ注射

  • エリア:名古屋市瑞穂区

  • 生活環境:夫と二人暮らし、キーパーソンは次女

  • 医療負担割合:生活保護(自己負担なし)

  • 専門医介入:眼科専門医(定期評価・治療)

  • 公費負担医療:生活保護医療扶助

  • 障害者手帳・認定情報:該当なし