在宅医療の事例紹介(個人宅)2025/09/30
食欲不振を契機に早急な訪問診療導入と入院に至ったケース
■ 基本情報
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年齢・性別:85歳・男性
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居住地:名古屋市千種区
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家族構成:妻と二人暮らし。別居の長男あり
■ 保険・福祉情報
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医療保険:後期高齢者医療保険(1割負担)
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介護保険:要介護1(1割負担)
■ 診断名
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認知症
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腰部脊柱管狭窄症
■ 導入の背景
2024年6月下旬より原因不明の食欲不振が2週間ほど続き、プリンやゼリーなど水分以外はほとんど摂取できない状態であった。通院が困難なため、ケアマネジャーから訪問診療依頼があり、面談時点で早急な導入が必要と判断され、翌日に初診が行われた。
■ 介入内容と経過
7月10日の初診時には、内服薬はほとんど服用できていないことが判明。経口摂取不良の原因は不明であり、状態の急速な悪化も考えられたため嚥下評価と入院による精査が必要と判断。
妻からも入院希望があったため、ちくさ病院への入院調整を行い、翌日7月11日に救急車で入院することが決定された。
■ 医療対応の詳細
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訪問診療による初期評価
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経口摂取不良・嚥下障害の可能性を考慮した入院加療方針の決定
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ちくさ病院と連携した迅速な入院調整
■ 支援のポイント
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食欲不振・服薬困難といった急性変化を早期に察知し、速やかに入院へつなげたことが重要であった
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家族の希望を踏まえつつ、診療側が安全性を重視した判断を下すことが安心感につながった
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在宅療養と入院治療の切り替えをスムーズに行うことで、生活の連続性を保ちながら医療支援を提供できた
■ 考察
本症例は、在宅生活中に急な食欲不振と服薬困難が出現した高齢患者に対して、訪問診療が早期に介入し、迅速に入院対応へ移行できたケースである。訪問診療の強みである「現場での即時判断」と「入院調整力」が発揮された事例であり、今後の在宅医療の位置づけを考える上でも示唆に富むものである。
■ 付記情報
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疾患種別:認知症、整形外科系疾患
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病名:認知症、腰部脊柱管狭窄症
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医療処置:該当なし
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エリア:名古屋市千種区
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生活環境:妻と二人暮らし、別居の長男あり
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医療負担割合:1割
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専門医介入:なし
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公費負担医療:該当なし
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障害者手帳・認定情報:記載なし