コラム2025/08/18
「訪問診療でも予防接種はできる」〜外来まで行かなくても季節性予防が可能〜
秋が深まり、インフルエンザの予防接種の季節になると、病院には長い列ができます。
しかし要介護の方にとって、その列に並ぶこと自体が大きな負担です。
車椅子やストレッチャーでの移動、待ち時間、そして感染症リスク…。
結果として接種を諦め、冬の感染症に無防備なまま過ごしてしまう方もいます。
訪問診療を利用すれば、こうした予防接種を自宅で受けられます。
医師が診察と体調確認を行い、そのまま接種が可能。外出負担がなく、他の患者と接触するリスクもゼロにできます。
◆ 制度解説
定期予防接種(肺炎球菌、高齢者インフルエンザなど)は自治体補助あり
任意接種(帯状疱疹ワクチンなど)も自費で実施可能
感染症流行期でも外出不要で接種可能、介護負担と感染リスクを同時に軽減
◆ 導入事例
88歳男性(要介護4・心不全)。毎年のインフルエンザ予防接種を続けていましたが、心不全の悪化で外出困難に。
家族は「今年は無理かもしれない」と諦めかけていました。
訪問診療を導入した医師は、診察中に体調を確認し、その場でワクチン接種を実施。冬の間、インフルエンザには罹らず、家族は「病院に行かなくていい安心感は想像以上」と話してくれました。
◆ まとめ
訪問診療は「治療だけでなく予防もできる医療」です。
特に感染症シーズンにおいて、在宅で予防接種ができることは、患者と家族の安心感を大きく高めます。