コラム2025/07/23
夜中の急変、どうすれば?~「判断の孤独」を減らすためにできること~
「夜中に熱が出た」「呼吸が苦しそう」「意識がぼんやりしている」——。
そんなとき、家族としてどうすればいいのか迷った経験はありませんか?
救急車を呼ぶべきなのか、朝まで様子を見ていいのか。
とっさの判断を迫られる場面ほど、不安は大きくなります。
こうした“判断の孤独”に寄り添えるのが、訪問診療の大きな役割のひとつです。
訪問診療は「24時間対応」が基本
在宅医療を行う医療機関は、原則として24時間連絡可能・必要に応じて往診ができる体制を整えています。
これは制度上の要件でもあり、不安の多い夜間・早朝にも“つながる安心”を提供する仕組みです。
緊急時には保険で対応可能な往診やカンファレンス加算も設定されており、結果的に不要な救急搬送を減らすことにもつながっています。
【実例】救急搬送を避けられた夜
90代・独居の女性。夜間に発熱し、ご本人は「大丈夫」と言うものの、ご家族は不安でいっぱいでした。
訪問診療の医師に連絡したところ、状況を確認したうえで
「まずは解熱剤を服用し、水分をとってください。朝一番で往診に伺います」
と対応。ご家族は安心して夜を越すことができました。
翌朝の診察では軽い膀胱炎と判明し、自宅での治療で対応。救急搬送も入院も不要でした。
一方で、別のケースでは「軽い息苦しさ」が心不全の急性増悪と診断され、医師判断で即時に救急搬送につながった事例もあります。
まとめ
「もしものとき、すぐに判断してくれる人がいる」
この安心感は、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな支えになります。
急変への不安、夜間の判断の迷い——。
それらは、訪問診療があれば軽減できるものです。
ご家族の不安に応える選択肢として、訪問診療という仕組みを知っておくことが、いざというときの安心につながります。