コラム2025/05/16
終末期ケアの重要性とケアマネジャーの役割
利用者が終末期を迎えるとき、ケアマネジャーのかかわりは極めて重要になります。
この時期の支援は、単なる身体的なケアにとどまらず、心理的・精神的な寄り添いが強く求められます。
ここでは、終末期ケアにおいてケアマネジャーが担う役割と、その具体的な支援のあり方を整理します。
痛みの管理と身体的ケアの調整
終末期には、痛みや不快感の緩和が最優先の課題となります。
ケアマネジャーは、医師や訪問看護師との連携を通じて、適切な疼痛管理が行えるよう支援します。
また、身体介助が必要な場合には、訪問看護やヘルパーの導入など、必要なサービスを迅速に調整する役割を担います。
心理的・精神的な支えの提供
この時期は、身体の変化に加え、精神的な不安や孤独感が増しやすくなります。
ケアマネジャーは、利用者の気持ちに丁寧に寄り添いながら、不安の軽減や心の安定につながる支援を行います。
ご家族に対しても、感情面のサポートが求められます。
家族へのサポートと意思決定の調整
終末期を迎えることで、ご家族にも大きな心理的負担がかかります。
ケアマネジャーは、ご家族が冷静に状況を理解し、納得したうえで判断ができるように、わかりやすい情報提供や意思決定支援を行います。
また、家族間での価値観の違いや意見のずれが見られる場面では、調整役としての立ち位置も重要になります。
ターミナルケア・ホスピスとの連携
利用者の状態や希望によっては、ターミナルケア専門の施設やホスピスの利用が必要となる場合もあります。
その際、ケアマネジャーは、医療機関や在宅緩和ケアチームとのスムーズな連携を図り、利用者と家族が安心して移行できるよう支援します。
まとめ
終末期ケアでは、ケアマネジャーが多角的な支援を行うことが求められます。
- 痛みや不快感を和らげるため、医療職との連携を通じて身体的な苦痛の緩和を図る
- 利用者や家族の不安や孤独感に寄り添い、心理的な安心を提供する
- 家族への説明や意思決定支援を通じて、精神的負担の軽減と合意形成を支える
- ホスピスやターミナルケアの専門機関と連携し、切れ目のない適切な支援を整える
利用者が尊厳を持って最期の時間を過ごせるよう、ケアマネジャーには幅広くかつ繊細な支援が求められます。
身体・精神・家族支援のすべてにおいて、質の高いケアを届けることが、終末期支援の中心的な役割です。