コラム2025/04/25
認知症を防ぐための生活習慣を見直すヒント
高齢化が進むなかで、認知症の発症はますます身近な課題となっています。厚生労働省の推計によると、65歳以上の高齢者のうち約7人に1人が認知症を発症しているとされており、予防への関心も高まっています。
認知症のリスクを下げるには、日々の生活習慣の見直しが何より大切です。ここでは、予防の観点から実践できる生活の工夫をまとめました。
認知症の主なリスク要因
加齢
年齢を重ねることで脳の機能が自然に衰え、記憶力や判断力に影響が出てきます。加齢そのものは避けられませんが、生活の工夫によってその進行をゆるやかにすることは可能です。
生活習慣病
高血圧、糖尿病、脂質異常症などは脳の血流を悪化させ、脳細胞にダメージを与える原因となります。これらの病気を予防・改善することで、認知症の発症リスクを下げることができます。
運動不足
身体を動かすことが少ないと、脳への血流が低下し、神経細胞の活動も弱まります。特に有酸素運動は、脳の活性化に効果的です。
社会的孤立
人との関わりが減ると、脳への刺激も少なくなり、認知機能の低下につながることがあります。孤独感や抑うつも、認知症のリスクを高める要因です。
認知症予防に役立つ生活習慣
1. 適度な運動を続ける
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脳の血流を良くし、神経細胞のはたらきを助けます。
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ウォーキング、体操、ストレッチなどを週に3〜5回、20〜30分ずつ行うのが理想です。
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筋力トレーニングやバランス運動も効果があります。
2. 栄養バランスの整った食事を意識する
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魚(DHA・EPA)、ナッツ、野菜、果物、オリーブオイルを取り入れた地中海式の食事が有効とされています。
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塩分や糖分を控えめにし、血圧や血糖値の安定を心がけましょう。
3. 脳を刺激する習慣を持つ
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読書やパズル、書道、計算など、日常的に頭を使う活動が脳の活性化に役立ちます。
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新しい趣味に挑戦したり、楽器に触れたりするのも良い刺激になります。
4. 人とのつながりを大切にする
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会話や交流の機会が多いほど、脳は活性化されやすくなります。
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家族・友人とのコミュニケーション、地域の集まりやボランティア活動への参加など、社会的なつながりを持ち続けることが重要です。
5. 質の良い睡眠をとる
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睡眠中には脳の老廃物が排出されます。
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睡眠不足が続くと認知症のリスクが高まるため、毎日7〜8時間の安定した睡眠を意識しましょう。
6. ストレスをためこまない
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慢性的なストレスは脳の働きを妨げます。
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リラックスできる環境づくりや、趣味・深呼吸・瞑想・ヨガなどでストレスコントロールを意識するとよいでしょう。
具体的な取り組み例
分野 | 具体的な行動例 |
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食事 | 野菜・魚・ナッツ類を積極的に摂取 |
運動 | ウォーキングやストレッチを日課に |
交流 | 週1回以上の集まりや会話の機会をもつ |
脳トレ | クイズ・計算・趣味活動を取り入れる |
リラックス | 入浴や音楽鑑賞など心を落ち着ける時間をつくる |
まとめ
認知症の予防は、特別なことよりも日々の習慣の積み重ねがカギです。
適度な運動、バランスの良い食事、質の良い睡眠に加えて、人とのつながりを保ち、脳を刺激する活動を取り入れていくことが大切です。
できることから少しずつ取り組み、自分らしい生活を守る工夫をしていきましょう。