コラム2025/03/19
胃腸炎と嘔吐・下痢のメカニズムについて
今回は「胃腸炎になると、なぜ嘔吐や下痢が起こるのか」についてお話しします。ご利用者様が体調を崩されたとき、適切に対応できるように、ぜひ参考にしてください。
胃腸炎は、ウイルスや細菌が胃や腸に感染して炎症を引き起こすことで発症します。ノロウイルスやロタウイルス、サルモネラ菌、大腸菌などが原因となることが多く、冬場に流行しやすい傾向があります。
嘔吐のメカニズム
胃腸炎に感染すると、病原体が胃の粘膜を刺激します。この刺激が脳の「嘔吐中枢」(延髄にあります)に伝わると、「体にとって有害なものを排除しよう」という防御反応が起こります。その結果、胃の内容物を逆流させて吐き出すことで、体内の毒素や病原体を取り除こうとします。
この嘔吐によって、胃の負担を軽減し、さらなる感染の進行を防ぐことができます。ただし、嘔吐を繰り返すことで脱水症状になるリスクがあるため、様子を見ながらこまめな水分補給が必要です。
下痢のメカニズム
一方、腸が病原体や毒素の刺激を受けると、腸の蠕動(ぜんどう)運動が過剰に活発になります。その結果、水分や電解質(ナトリウムやカリウムなど)の吸収がうまくいかなくなり、水っぽい便(下痢)となって排出されます。これは、腸内に残った病原体や毒素を早く体外に排出するための反応です。
下痢も嘔吐と同様に、体を守るための防御反応ですが、繰り返し続くと脱水や電解質バランスの乱れが起こりやすくなります。そのため、水分だけでなく、経口補水液などで電解質も適切に補うことが重要です。
ケアのポイント
胃腸炎による嘔吐や下痢は、体が有害物質を排除しようとする自然な反応ですが、脱水や栄養不足につながることがあります。次のような対応を心がけましょう:
– 嘔吐や下痢が続く場合は、水分補給をこまめに行う
– 経口補水液やスープなどで電解質を補給する
– 体力が低下している場合は、無理に食事を勧めず、消化に良いものから始める
– 症状が重い場合は早めに医療機関に相談する
まとめ
胃腸炎は一時的な症状であることが多いですが、適切な対応によって回復を早めることができます。ご利用者様の様子をしっかり観察しながら、無理のないケアを心がけてください。