コラム2025/02/25
高齢者の睡眠障害と睡眠薬について
高齢者の中には、不眠症に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。睡眠薬を使用する方もいますが、服用のタイミングによっては翌朝の目覚めが悪くなることや、筋肉が緩み転倒のリスクが高まるため、注意が必要です。
睡眠障害の種類
人の平均的な睡眠時間は約8時間とされていますが、個人差が大きく、5時間で十分な方もいれば、9時間必要な方もいます。不眠症は睡眠時間の長さではなく、朝の不快感や日常生活への影響で判断されます。
高齢者に多い睡眠障害には、以下のような種類があります。
① 入眠障害(寝つきが悪い)
寝るまでに時間がかかるが、一度眠れば朝までぐっすり眠れる
② 浅眠・熟眠障害(眠りが浅い)
夜中に何度も目が覚める。高齢者に多く、頻繁にトイレに行くことと関連がある
③ 早朝覚醒(朝早く目が覚める)
予定より早く目覚め、その後眠れない。高齢者に多く、躁病の方にも見られる
睡眠薬は安全?
睡眠薬に対して「副作用が怖い」「癖になる」と心配する方もいますが、適切に使用すれば安全に安眠を得られます。睡眠薬は作用時間によって分類され、それぞれの症状に応じて使い分けます。
- 短時間型(入眠障害向け)
- 中間型・長時間型(熟眠障害・早朝覚醒向け)
- 長時間型(精神的な不調を伴う不眠に使用)
まずは生活リズムを整えましょう
睡眠薬を使用する前に、生活リズムの改善を試してみましょう。
ポイント
- 朝起きたら寝間着から普段着に着替える
- 外出が難しくても、日中は活動的に過ごす
睡眠薬の種類
① 短時間型(寝つきが悪い方に)
- 薬名: ハルシオン、アモバン、マイスリー
- 副作用: 口の渇き、倦怠感、一過性の記憶障害(アモバンは口中の苦味あり)
② 短時間型(効果がやや長め)
- 薬名: レンドルミン、エバミール、リスミー
- 副作用: 口の渇き、倦怠感、頭痛感、一過性の記憶障害
③ 中間型・長時間型(眠りが浅い・早朝覚醒の方に)
- 薬例名 サイレース、エリミン、ユーロジン、ベンザリン、ドラール
- 副作用: 頭重感、ふらつき、倦怠感、口の渇き
睡眠薬の注意点
- 服用後はすぐに就寝すること
- 翌朝の眠気やふらつきに注意
- アルコールと併用しない
- 夜中に起きる際は転倒に注意
- 急にやめると不眠が悪化する可能性があるので、医師と相談の上で調整する
まとめ
睡眠薬を自己判断で増減してしまう高齢者も少なくありません。 利用者様が適切に服用できているかを確認し、心配な点があれば早めに医師へ相談しましょう。