コラム2025/02/17
線維筋痛症って何ですか?
線維筋痛症とは?
線維筋痛症(せんいきんつうしょう)は、原因がはっきりしないにもかかわらず、全身に慢性的な痛みやこわばりが現れる疾患です。
この病気は検査では異常が見つかりにくく、診断に時間がかかることも少なくありません。しかし、適切な治療や対策によって症状を軽減し、生活の質を向上させることが可能です。
症状
線維筋痛症の主な症状は、以下のようなものがあります。
全身の痛み:鋭い痛み、ズキズキする痛み、焼けるような痛みなどさまざま。
こわばり:朝起きたときや長時間座っていた後に体が動かしづらい。
疲労感:十分に睡眠をとっても疲れが取れない。
睡眠障害:眠りが浅く、夜中に目が覚めやすい。
集中力の低下(ブレインフォグ):物忘れや注意力の散漫。
その他:頭痛、過敏性腸症候群(IBS)、しびれ、気分の落ち込みなど。
原因と発症のメカニズム
線維筋痛症の正確な原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
脳の痛みの処理異常:痛みを感じやすくなる。
ストレスや心理的要因:過度なストレスが症状を悪化させることがある。
ホルモンや神経伝達物質の異常:セロトニンやドーパミンの低下が関与。
遺伝的要因:家族内での発症がみられることがある。
感染症や外傷:何らかの出来事をきっかけに発症するケースも。
診断
診断には、血液検査や画像診断ではなく、問診や触診が重要になります。アメリカリウマチ学会(ACR)の診断基準では、
・3か月以上続く広範囲の痛み
・圧痛点(触ると強く痛むポイント)の確認
などが診断の目安となります。
治療方法
線維筋痛症には特効薬はありませんが、症状を軽減するためにさまざまな治療法が用いられます。
薬物療法
鎮痛薬:一般的な痛み止めは効きにくいことも。
抗うつ薬・抗けいれん薬:神経の過敏さを抑えるために使用される。
睡眠改善薬:睡眠の質を向上させるために処方されることがある。
非薬物療法
運動療法:ストレッチやヨガ、ウォーキングが効果的。
認知行動療法:ストレス管理や痛みの捉え方を変えることで症状を軽減。
マッサージ・鍼治療:血行を改善し、筋肉のこわばりを和らげる。
温熱療法:お風呂や温湿布で痛みを和らげる。
まとめ
線維筋痛症は、目に見えない症状のため周囲から理解されにくい病気ですが、適切な治療や対策によって症状を軽減することができます。
一人で抱え込まず、医師や専門家に相談しながら、できることから取り組んでみましょう。