コラム2025/01/22
じんましんや痒み、むくみの原因は食物アレルギー?早期発見のための基礎知識
食物アレルギーの増加とその現状
近年、特に先進国で「食物アレルギー」の患者が増加傾向にあり、多くの人々が関心を寄せています。
子どもから大人まで、幅広い年齢層に見られる症状ですが、その仕組みや原因について十分に理解している人は少ないのが現状です。
「体調が悪くて病院を受診したら食物アレルギーだった」「突然アレルギー反応が出た」というケースも少なくありません。
自己判断では原因を特定しにくいため、異変を見逃さないことが重要です。重症化を防ぐためにも、基礎知識を持つことが大切です。
食物アレルギーの仕組みとは?
食物アレルギーは、特定の食物に含まれる「アレルゲン(アレルギーの原因物質)」に対して、免疫システムが過剰に反応することで引き起こされます。
通常、食物は体内で異物として認識されず、栄養として吸収されます。しかし、以下のような場合にアレルギー反応が起こることがあります:
- 免疫反応の調整が不十分なとき
- 消化・吸収機能が未熟な乳幼児の場合
異物と認識されたアレルゲンを体が排除しようとすることで、アレルギー反応が生じます。
アレルギーの原因となる「アレルゲン」
アレルゲンの多くは、食物に含まれるたんぱく質です。食べるだけでなく、触れる・吸い込む・注射で体内に入ることで反応が出る場合もあります。
「たんぱく質=アレルギーを起こしやすい」というわけではありません。日本では以下が主な原因食品です:
- 牛乳
- 卵(全体の約40%を占める)
- 小麦
- 魚類
- ピーナッツ
- 果物
- エビ・カニ(甲殻類)
原因食品は年齢によって変わることもあり、乳幼児では卵や乳製品が多く、成人では果物や甲殻類が一般的です。
食物アレルギーの症状とは?
代表的な症状には以下があります:
- 皮膚症状:じんましん、かゆみ、赤み、むくみ
- 呼吸器症状:息苦しさ、くしゃみ、鼻水
- 粘膜症状:目の充血、涙
- 消化器症状:嘔吐、下痢
重症化すると命に関わる「アナフィラキシーショック」が発生することもあります。
また、即時に症状が出る「即時型」だけでなく、数時間から数日後に現れる「遅発型」のケースもあります。こうした時間差のため、原因を特定するのが難しいことがあります。
「食物アレルギーかも」と思ったら
卵や牛乳、小麦などが原因になりやすいですが、さまざまな食物がアレルギーを引き起こす可能性があります。
自己判断で食材を制限するのは避け、医療機関を受診することが重要です。
専門医による問診や皮膚テスト、血液検査などで原因を特定し、必要に応じて食物除去試験を行います。
まとめ
食物アレルギーは重症化すると命に関わる場合があります。
普段の食事や体調の変化に注意を払い、体からのサインを見逃さないようにしましょう。
正しい知識を身につけ、早期発見・対応を心がけてください。