コラム2024/12/10
痛みが続く理由と改善策:慢性痛の治療と生活習慣の見直し
慢性痛との向き合い方
けがや病気によって生じる痛みは一般的に「急性痛」と呼ばれます。
例えば、指を切ったときや虫垂炎による腹痛などがそれにあたります。
急性痛はその原因が明確であり、治療を受けることで痛みも治まります。
しかし、治療後にも痛みが長引いたり、原因が明らかでない痛みが続いたりする場合、それは「慢性痛」かもしれません。
慢性痛は、ただの長引く痛みではなく、心理的・社会的な要因が絡んでいることも多く、治療には時間と努力が必要です。
原因が不明でも痛みが続く理由
急性痛は、身体に異常があることを知らせるために生じます。
たとえば、切り傷の痛みは、その傷が回復していないことを教えてくれるものです。
しかし、慢性痛の場合、痛みの原因が明確でないことが多いです。
体に何も異常がないのに、痛みを感じることがあります。これは、脳が過去の痛みや記憶、感情と結びついて痛みを感じるためです。
こうした「誤作動」によって、痛みが続くことがあるのです。
慢性痛が悪化する理由
慢性痛の厄介なところは、痛みそのものが生活全体に影響を与えることです。
痛みを抱えたままで仕事に集中できなかったり、うつ状態や不眠になったりすることが多いです。
これにより、痛みがさらに悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。
さらに、痛みは目に見えないため、周囲の理解を得るのが難しく、ストレスが溜まることもあります。
このような心理社会的要因が、痛みを悪化させることもあるのです。
慢性痛との向き合い方
慢性痛を改善するためには、生活習慣を見直し、痛みと向き合う必要があります。
慢性痛は「生活習慣病」の一種と考え、自分自身で積極的に対処していくことが大切です。以下の点に気をつけることで、痛みの管理がしやすくなります。
身体の使い方や考え方の癖を見直す
悪い姿勢や不自然な歩き方などが痛みを引き起こすことがあります。
また、ストレスを抱え込むような思考の癖も、痛みを悪化させる原因となります。
自分では気づきにくいこれらの「癖」を改善するために、生活の中での行動を意識的に見直しましょう。
質の良い睡眠をとる
十分な睡眠は、心身の回復に欠かせません。睡眠不足は身体の疲れを取ることができず、痛みを悪化させます。
寝酒など睡眠の質を下げる行動は避け、快適な睡眠環境を整えることが大切です。
適度な運動を取り入れる
痛みがあっても、完全に動かさないことは逆効果です。
適度に体を動かすことで、筋力や柔軟性が保たれ、痛みが和らぐことがあります。無理のない範囲でストレッチや軽い運動を取り入れましょう。
健康的な食事で体重管理を行う
体重が増えると関節に負担がかかり、痛みが悪化することがあります。
バランスの良い食事を心がけ、健康的な体重を維持することが、慢性痛の改善に役立ちます。
痛みと向き合いながら生活の質を高める
慢性痛を完全に治すことは難しいかもしれませんが、痛みをコントロールし、生活の質を向上させることは可能です。
日々の生活習慣を見直し、痛みを悪化させる要因を取り除いていくことで、より快適な生活を送ることができます。
また、痛みが続く場合は、専門的な医療機関の相談を受けることも重要です。
自分のペースで対処しながら、痛みとの付き合い方を見つけていきましょう。