コラム2024/12/06
食品添加物とは何か?その役割と安全性を徹底解説
食品添加物は、食品の保存性を高めたり、風味や見た目を良くするために添加される物質です。
普段の食事の中で何気なく口にしている食品にも、実は多くの添加物が含まれています。
今回は、食品添加物の具体的な種類や役割、安全性、そして上手な付き合い方について解説します。
食品添加物の種類と役割
食品添加物は、その目的に応じていくつかのカテゴリーに分かれています。
・保存料、防腐剤
役割:食品の腐敗を抑制し、賞味期限を延ばします。
例:ソルビン酸、安息香酸ナトリウム
効果:菌の繁殖を抑え、食品の安全性を確保します。
・ 酸化防止剤
役割:脂肪や油分の酸化を防ぎ、食品の風味や色を保ちます。
例:ビタミンE、ビタミンC、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
効果:特に揚げ物やスナック菓子などの劣化を防ぎます。
・ 着色料
役割:食品を鮮やかな色にし、視覚的な魅力を高めます。
例:カロチノイド、ベタニン、タール色素
効果:食品の色を均一に保ち、食欲を刺激します。
・ 甘味料
役割:砂糖の代わりに甘味を付けるために使用されます。
例:アスパルテーム、サッカリン、ステビア
効果:低カロリーのため、ダイエット食品や糖尿病患者向けの商品に多用されています。
・乳化剤・安定剤
役割:水と油を混ぜ合わせる際に、成分が分離しないようにします。
例:レシチン、ペクチン、ゼラチン
効果:マヨネーズやドレッシングなどのなめらかな食感を保ちます。
・調味料(アミノ酸等)
役割:旨味を増強し、味を調えるために使用されます。
例:グルタミン酸ナトリウム(MSG)
効果:インスタント食品やスナック菓子などの味を引き立てます。
食品添加物の安全性について
食品添加物に対する不安を感じる人は多いですが、その安全性は厳格な基準に基づいて確保されています。
- 食品衛生法に基づく規制
日本では、食品添加物の使用にあたっては食品衛生法に基づき、厚生労働省が認可しています。
新たな添加物を使用する場合、以下のステップを経て安全性が確認されます。
安全性試験の実施:
動物実験を行い、長期間の摂取による影響を調査します。
ADI(許容一日摂取量)の設定:
一生涯にわたって毎日摂取しても問題のない量を設定します。
使用基準の策定:
添加物の種類ごとに、使用できる食品の範囲と量を細かく規定します。
- 国際基準との調整
食品添加物の安全性は、日本国内だけでなく、国際食品規格委員会(CODEX)の基準にも基づいて評価されます。
これにより、輸出入される食品の安全性も保証されています。
- 表示義務とトレーサビリティ
食品添加物は、消費者が内容を把握できるよう、食品表示法に基づいてパッケージに表示することが義務付けられています。
表示されている添加物を確認することで、自分の好みに合った商品を選ぶことができます。
添加物と上手に付き合うためのポイント
食品添加物を過剰に恐れる必要はありませんが、バランスよく取り入れるために意識したいことがあります。
・食品表示を読む習慣をつける
購入する際に、原材料欄をチェックし、どのような添加物が使われているかを確認しましょう。
特に、避けたい添加物がある場合はリストアップしておくと便利です。
・加工食品を減らし、手作りを心がける
加工食品には多くの添加物が含まれている場合があります。手作りの料理を増やすことで、添加物の摂取を抑えられます。
・食品の種類を偏らせない
同じ食品ばかりを食べ続けると、特定の添加物を過剰に摂取するリスクがあります。
バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
添加物に関する誤解と正しい知識
食品添加物に対する誤解も多く存在します。以下の点を理解することで、安心して食事を楽しむことができます。
「天然」と「人工」の違いは安全性とは無関係
天然由来の添加物でも過剰摂取すれば健康に影響を及ぼすことがあります。
人工添加物も、適切な量であれば安全です。
無添加=完全に安全ではない
無添加と表示されていても、保存状態が悪ければ食品が傷むリスクがあります。
保存料が入っていることで、かえって食品が安全に保たれることもあります。
まとめ
食品添加物は、私たちの食生活を支える重要な役割を果たしています。
厳しい基準のもとで使用されており、適切な範囲であれば健康への影響を心配する必要はありません。
正しい知識を持ち、食品表示を意識しながら、自分に合った食品選びを心がけることで、より安心して食生活を楽しむことができます。