コラム2024/10/30
胃の不快感、機能性ディスペプシアの治療について
「胃が痛い」、「胃がもたれる」といった不快感に悩まされていませんか?もしかしたら、機能性ディスペプシア(FD)が原因かもしれません。FDの治療には、医師のサポートが重要であり、信頼できる主治医との良好な関係が治療の効果に大きく影響します。
薬物療法
FDの治療では、薬を飲んですぐに完全に改善するわけではありません。まずは症状を少しでも軽減することを目標にし、焦らずに取り組むことが大切です。
治療中に気をつけること
FDの症状を改善するためには、生活習慣や食習慣の見直しも不可欠です。以下のポイントを実践することで、症状の軽減に役立ちます。
- 食事の量と頻度の調整
一度に多く食べ過ぎず、少量ずつ分けて食べることで、胃に負担をかけずに済みます。
- 高カロリー・高脂肪食の制限
カロリーや脂肪分の多い食事は、胃もたれや痛みを引き起こしやすいので、避けることが推奨されます。
- アルコールやカフェインの摂取制限
お酒やコーヒーの摂取を控えることで、胃の不快感を軽減する助けになります。
- 禁煙
喫煙は症状を悪化させるため、禁煙が強く推奨されます。
- 規則正しい生活習慣
睡眠不足や運動不足を避け、規則正しい生活を心がけることで、全体的な健康状態が向上します。
再発の要因と併存疾患
機能性ディスペプシア(FD)は、治療によって症状が改善することがありますが、再発することもあります。以下に、再発の要因と併存疾患について説明します。
再発の要因
– 約20%の患者が治療後数か月以内に再発するとされていますが、再発を予防する方法や、再発しやすい人の特定については、まだ完全には解明されていません。
– 心理的・社会的要因が深く関わっており、ストレスが再発の引き金となることが多いです。ストレス管理やリラクゼーションの取り組みが有効とされています。
併存疾患の可能性
– FDの患者は、他の機能性消化器疾患を併発することがあり、以下の症状が見られます:
– 過敏性腸症候群(IBS): 下痢や便秘、腹部の張りや痛み。
– 胃食道逆流症(GERD): 胸やけや呑酸。
– 機能性便秘: 排便が困難。
– 精神的な問題(うつ病や不安症)が共存することも多く、患者の10%から50%に見られます。
– 胆のうや膵臓の疾患も潜んでいる可能性があるため、症状が持続する場合は追加の検査が推奨されます。
まとめ
機能性ディスペプシアは症状が改善することもありますが、再発のリスクがあるため、ストレス管理や併存疾患への注意が必要です。症状が持続する場合は、専門的な治療や検査が求められます。