コラム2024/10/22
胃の不快感、放置していませんか?機能性ディスペプシアの生活への影響と原因
「胃が痛い」、「胃がもたれる」といった不快感に悩まされている方、もしかしたら機能性ディスペプシア(FD)が原因かもしれません。FDは非常に一般的な疾患で、日常生活への影響、仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。また、FDの原因は非常に複雑で、多くの要因が組み合わさって症状を引き起こすと考えられています。特に重要な4つの要因とその他の要因を解説します。
日常生活への影響
FDの患者は、日常生活の質(QOL)が大きく損なわれることが多く、特に症状が強い場合には、仕事や日常活動に支障をきたすことがあります。具体的には以下のような影響があります。
QOLへの影響
強い症状がQOLを低下させる
日常生活や仕事、家族との時間に支障が出る
主な原因・誘因
- 胃・十二指腸運動の障害
胃から十二指腸への食べ物の排出異常や、胃の拡張機能が障害されることが原因です。早すぎる排出や遅すぎる排出、または早期の飽満感が影響します。
- 胃・十二指腸の知覚過敏
健康な人よりも弱い刺激(胃の伸展、温度、胃酸、脂肪)で症状が現れる状態です。過敏な感覚が痛みや不快感を引き起こします。
- 心理的要因や生育環境
不安や抑うつ、幼少期のトラウマが脳と腸の連携(脳腸相関)に影響し、胃や腸の運動や感覚に異常をもたらすことがあります。
- 胃酸の影響
胃酸が胃や十二指腸の粘膜を刺激し、運動や知覚に悪影響を及ぼすことがあります。
その他の要因
- 遺伝的要因
生まれつきFDになりやすい体質を持つ人もいます。
- 感染性胃腸炎の影響
サルモネラなどの急性感染性胃腸炎の後に、FDのような症状が長期間続くことがあります。
- 喫煙、不眠、食習慣の乱れ
生活習慣や食習慣の乱れ(早食いやバランスの悪い食事)がFDの原因となり、見直すことで改善することもあります。
- 消化管の微小な炎症
特に十二指腸に微小な炎症が生じることで、バリア機能が損なわれ、症状が引き起こされることがあります。
まとめ
FDの発症にはこれらの要因が複合的に作用しており、治療は個々の原因や症状に合わせて行われます。胃の不快感を感じた際には、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。