コラム2024/08/22
パーキンソニズムとは?パーキンソン病との違いを理解しよう
パーキンソン病やパーキンソニズム、パーキンソン症候群といった言葉は、似ているようでそれぞれ異なる意味を持つ医療用語です。
それぞれの違いを理解することで、適切な診断と治療が行えるようになります。
パーキンソン病
パーキンソン病は、脳内の黒質という部分でドーパミンという神経伝達物質が減少することで起こる神経変性疾患です。
特徴的な症状には、動作の遅れ(動作緩慢)、筋肉のこわばり(筋強剛)、震え(振戦)、姿勢の不安定さ(姿勢保持障害)があります。
これらの症状が進行し、徐々に日常生活が困難になることがあります。
パーキンソニズム
パーキンソニズムとは、パーキンソン病で見られる運動症状(動作緩慢、筋強剛、振戦、姿勢保持障害)のいくつかが現れる状態を指します。
しかし、パーキンソニズムを引き起こす原因はパーキンソン病だけでなく、他の病気や要因も含まれます。
これには多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などの神経変性疾患や、薬剤性パーキンソニズム、脳血管性パーキンソニズム、正常圧水頭症などが含まれます。
パーキンソン症候群
パーキンソン症候群は、広義にはパーキンソニズムを引き起こすすべての状態を指します。つまり、パーキンソン病を含むさまざまな原因で発症する症候群です。
薬剤性や脳血管性のパーキンソニズム、正常圧水頭症などもこのカテゴリーに含まれます。
適切な診断の重要性
パーキンソン病とパーキンソン症候群の区別は難しいことがあり、特に初期段階では時間をかけて慎重に診断する必要があります。
症状が左右対称に出たり、進行が早く、パーキンソン病治療薬が効かない場合、他の原因を疑う必要があります。
診断には、MRIや脳血流スペクト検査、嗅覚検査などの複数の検査が参考にされます。
まとめ
パーキンソン病、パーキンソニズム、パーキンソン症候群の違いを理解することは、正しい診断と治療において非常に重要です。
これらの病状は似ているようでありながら、原因や治療法が異なるため、早期に適切な判断が求められます。
これにより、患者さんの生活の質を向上させることができます。