コラム2024/06/11
亜鉛不足が引き起こす体の変化とその対策
亜鉛は、人間の体にとってとても大切なミネラルです。
亜鉛は筋肉、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓など、体のいろいろな部分にあります。
体の中には300種類以上の酵素があり、亜鉛はその酵素の働きに必要です。また、細胞の増殖やタンパク質の合成にも重要な役割を果たしています。
亜鉛不足による症状
皮膚炎、傷の治癒の遅れ
亜鉛が不足すると、皮膚のタンパク質合成がうまくいかず、皮膚炎が起きやすくなります。また、傷も治りにくくなります。
味覚障害
舌の表面には亜鉛を必要とする酵素が多く存在しています。
亜鉛不足でこの酵素が働かなくなると、味を感じにくくなります。
貧血
貧血は鉄だけでなく亜鉛も関係します。
亜鉛が不足すると、赤血球の増殖やヘモグロビンの合成がうまくいかず、貧血が生じることがあります。
食欲低下、下痢
亜鉛不足は胃腸の粘膜にも影響を与え、食欲が低下したり下痢を引き起こしたりします。
免疫機能の低下
亜鉛は体内の毒素を取り除き、炎症や感染を抑える機能を持っています。
亜鉛不足で免疫機能が低下すると、感染症にかかりやすくなります。
生殖機能の異常
亜鉛は男性ホルモンのテストステロンの合成に関わっています。
亜鉛不足でテストステロンが減少すると、男性更年期や不妊の原因になることがあります。
子どもの発育障害
亜鉛は成長ホルモンや性ホルモンの分泌にも関わります。
子どもが亜鉛不足になると、成長が遅れたり、体重が増えにくくなったりすることがあります。
亜鉛不足を防ぐための食生活
成人男性の1日の亜鉛摂取推奨量は11mg、成人女性は8mgですが、多くの人がこの量を摂取できていません。
亜鉛を多く含む食品には、生牡蠣、豚レバー、牛肉などの動物性食品があります。豆類や種実類にも亜鉛が含まれています。
加工食品の摂り過ぎも亜鉛不足の原因になります。
加工食品には亜鉛を体外に排出してしまう食品添加物が含まれていることが多いです。
また、コーヒーやアルコールも亜鉛の吸収を阻害するため、これらを摂りすぎないよう注意が必要です。
薬の服用と亜鉛不足
薬の中には亜鉛を体外に排出する作用を持つものもあります。長期間薬を服用している場合、亜鉛不足になることがあります。その場合、亜鉛サプリメントを検討するのも良いでしょう。ただし、亜鉛を摂り過ぎると中毒症状が出ることもあるので、注意が必要です。
まとめ
亜鉛は体のいろいろな部分に必要な重要なミネラルです。亜鉛が不足すると、皮膚炎や味覚障害、貧血などの症状が現れます。亜鉛を多く含む食品をバランスよく食べることが大切です。
もし、食生活に気を付けていても症状が出る場合は、医療機関を受診し、亜鉛不足を確認することが大切です。