コラム2024/05/31
消化性潰瘍ってどんな病気vol.1
消化性潰瘍とは
消化性潰瘍は、胃酸や消化酵素が胃や十二指腸の壁を深く傷つけることで発生する病気です。
粘膜が削れ、穴が開きそうな状態になったものが潰瘍です。
国内の患者数は年々減少していますが、出血などの合併症で命に関わることもあり、2017年には約2,500人の方が亡くなられています。
原因
消化性潰瘍の主な原因には以下のものがあります。
- ヘリコバクター・ピロリ菌感染:胃の粘膜に感染し、炎症を引き起こしたり、粘液の分泌を減少させることで、粘膜が胃酸によって傷つきやすくなります。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):解熱鎮痛薬などが粘膜を傷つけたり、粘膜を保護する力を弱めることにより、薬剤性潰瘍が増えています。
- 特発性潰瘍:薬剤やピロリ菌に関連せずに発生する潰瘍も増加傾向にあります。
症状
消化性潰瘍が発生すると、以下のような症状が現れます。
- 鈍い痛み:お腹の上やみぞおちのあたりに感じることが多いです。
- 嘔吐や吐き気:特に食後に感じることがあります。
- 出血:潰瘍から出血すると、黒い便(タール便)や吐血が見られます。大量出血の場合、貧血になることもあります。
症状の現れ方は、潰瘍の部位によっても異なります。
- 胃潰瘍:食後に痛みを感じることが多いです。
- 十二指腸潰瘍:夜間に痛みを感じることが多いです。
まとめ
消化性潰瘍は命に関わることもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
ピロリ菌の除菌や薬剤の適切な使用、生活習慣の改善を通じて予防と治療を行うことが推奨されます。
潰瘍が疑われる場合は、医師に相談し、内視鏡検査などを受けることが大切です。