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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

胃食道逆流症(GERD)ってどんな病気?vol.4

コラム2024/05/23

胃食道逆流症(GERD)ってどんな病気?vol.4

胃食道逆流症の治療方法について

胃食道逆流症は、胃の内容物、特に胃酸が食道に逆流することで発生します。治療の一環として、以下の方法が取られます。

薬物治療

まず、胃酸の分泌を抑える薬物治療が行われます。自覚症状や食道炎の程度に応じて、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)が使用されます。

これにより、多くの患者さんの自覚症状は改善し、食道炎(食道粘膜のただれ)も治癒します。

しかし、薬物治療では胃酸の逆流そのものを完全に治療することはできません。

手術治療

薬物治療で十分な改善が見られない場合、長期的な服用が必要となる場合、または大きな食道裂孔ヘルニアが伴っている場合などには、手術が必要となることがあります。

手術では、逆流を防ぐための処置が行われます。

特に、食道裂孔ヘルニアを伴っている患者さんに対しては、まずその修復を行います。

その後、胃で食道の下部を包み込む「噴門形成術」を行います。

この手術は、胃から食道への逆流を防ぎつつ、反対に食道から胃への食物の通過を妨げないようにしなければならず、熟練した外科医によって行われます。

最近では、開腹手術に比べて患者さんの体への負担が少ない腹腔鏡手術が広く行われています。また、一部の患者さんには内視鏡を用いた手術治療も行われるようになってきています。

手術の利点

手術治療は逆流を防止することができ、治療効果も持続するため、薬物治療により長期間症状が抑えられている患者さんでも、希望があれば手術を選ぶことが可能です。

診断の重要性

薬物治療で効果が十分に得られない場合、症状の原因が本当に逆流によるものなのかをしっかりと調べることが重要です。

手術の適応を検討する際には、手術の効果やリスク(年齢や併存する病気など)を考慮して判断する必要があります。

最終的な判断

胃食道逆流症の治療の目的は、患者さんの生活の質(QOL)を改善することです。

手術を実施するかどうかは、主治医と相談し、外科の専門医の意見を聞いたうえで決定することが推奨されます。

まずは主治医の先生にご相談され、必要に応じて外科の専門医の話を聞いてみてください。