コラム2024/03/19
パーキンソニズムの病気と診断についての解説
パーキンソニズムの診断と病気について
パーキンソニズムとは、パーキンソン病の運動症状である動作緩慢、無動・寡動、筋強剛、振戦、姿勢保持障害のいずれか一つがあれば疑われ、これらはパーキンソニズムまたはパーキンソン症状と呼ばれます。パーキンソニズムを引き起こす病気には、多系統萎縮症(MSA)、進行性核状性麻痺、大脳皮質基底核変性症などがあります(ここで挙げた疾患は特定疾患に認定されています)。また、薬剤性パーキンソニズム、脳血管性パーキンソニズム、正常圧水頭症などもあります。これらの病気には異なる治療法があり、正確な診断が重要です。
神経変性疾患とパーキンソン症候群
神経変性疾患としては、多系統萎縮症や進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症があり、これらは初期段階でパーキンソン病との区別が難しい場合があります。一方、薬剤性パーキンソニズム、脳血管性パーキンソニズム、正常圧水頭症などもあります。特に、薬剤性パーキンソニズムは薬の副作用として現れ、脳血管性パーキンソニズムは脳梗塞の影響で起こることがあります。正常圧水頭症は髄液の流れが滞り、脳を圧迫することで起こります。これらの疾患にはそれぞれ対応した治療法があります。
パーキンソン病と他の病気の区別
多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症はパーキンソニズムを引き起こす病気であり、初期段階ではパーキンソン病との区別が難しいことがあります。MRIなどの画像検査や病歴の確認で区別することができますが、診断は神経内科の専門医でも難しい場合があります。左右対称の症状、早い進行、治療薬の効果不良などが見られる場合は、パーキンソン病以外の可能性があります。そのため、診断には複数の検査結果を参考にすることが重要です。
主な検査の例
- MRI脳画像検査
- 脳血流スペクト検査
- MIBG心筋シンチグラフィ
- ドパミントランスポーターシンチグラフィ
- 嗅覚検査
パーキンソン病の診断は問診と診察が主であり、神経内科の専門医でも難しいケースがあります。より確実な診断のためには検査結果を総合的に判断することが必要です。