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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

白内障と緑内障 眼の病気に関する包括的な解説

コラム2024/02/06

白内障と緑内障 眼の病気に関する包括的な解説

白内障

白内障は、眼球内の水晶体が白く濁り、網膜に像を投影できなくなり、視力が低下する病気です。水晶体の濁りは老化が主な原因であり、高齢者によく見られる病気です。

一般的な症状には物が霞んで見える感覚や明るい場所でまぶしく感じ、メガネの調整が難しい、また物がぼやけて二重や三重に見えるなどが挙げられます。濁りの度合いには個人差がありますが、白内障には痛みや充血の症状は伴いません。

原因としては、水晶体内のタンパク質の変化が挙げられます。最も一般的なのは老人性のもので、60歳代で70%、70歳代で90%、80歳以上ではほぼ100%の人に白内障による視力低下が見られます。

治療

白内障が進行してしまうと、水晶体が濁りきってしまい、薬などで透明性を回復することはできません。したがって、進行した場合は手術が唯一の視力回復手段となります。最近では日帰り手術も行われており、視力が低下したと感じる場合は眼科の診察を受けることが重要です。濁りが軽い場合には、点眼剤や内用薬が使用され、進行を予防することがあります。

緑内障

緑内障は、眼の中にある液体である房水が視神経を圧迫し、視野が狭くなる病気です。通常は眼圧の異常が原因ですが、時には正常な眼圧でも発症することがあり、その原因が不明確な場合もあります。

自覚症状は初期段階ではあまり現れませんが、進行すると視神経の障害が起こり、視野が欠けたり狭くなったりします。急発するケースもまれにあり、その際には眼の痛みや頭痛、吐き気が現れることがあります。このような場合は迅速な治療が必要です。

緑内障の種類

  • 原発開放隅角綠内障: 房水の出口である繊維柱帯が詰まり、ゆっくりと進行するタイプ
  • 正常圧緑内障: 無治療時の眼圧が正常でありながら発症するタイプで、日本人に多く見られる
  • 原発閉塞隅角緑内障: 隅角が狭くなり、房水の流れがふさがれ、急性・慢性の2つの型がある
  • 先天性綠内障: 隅角が未発達であるために生じる緑内障
  • 続発性緑内障: 外傷、角膜の病気、網膜剥離などが原因で発症する緑内障

緑内障の検査

  • 眼圧測定: 直接測定器具を使った方法と、空気を使った方法がある
  • 眼底検査: 視神経の状態を評価し、緑内障の診断に必要な検査
  • 視野検査: 視野の範囲や進行度を評価し、治療方針の立案に役立つ

治療

治療の主な目的は眼圧を下げることであり、点眼剤と内用薬による薬物療法、レーザー治療、手術があります。半数以上の患者は点眼剤だけで済むことが通常で、急激な眼圧低下が必要な場合は内用薬や注射薬が使用されます。眼圧を下げるための薬には房水の生成を抑える薬と外部への排出を促す薬があり、さまざまな種類があります。