コラム2023/08/05
パーキンソン病の四大症状~「無動・寡動」と「筋強剛(筋固縮)」の症状について
パーキンソン病の四大症状
パーキンソン病の四大症状は1.無動・豪動、2.筋強剛〔筋固縮)、3.振戦、4.姿勢反射障害です。
無動・ 動の症状は、仮面様顔貌(表情がほとんどなくなりまばたきが少なくなる)、流
迄、小字症、突進現象(前面での歩行速度がスピードアップしてしまう)です。
筋強剛(筋岡縮) の症状は、一言で表すと筋肉のこわばりです。鉛管現象や歯車現象、頭部落下徴候があり、ほとんどの方に初発側優位の左右差が認められます。
振戦は、静止時にみられるのが特徴で、指先で薬を丸めるような動きや下肢にも見られます。動作時には消失しますが、症状が進行すると動作時にもみられます。睡眠中は消失します。
姿勢反射際害とは、姿勢をうまく保てずに、バランスを崩しやすくなる状態です。すくみ足は、目標物直前や歩行開始時、狭い場所、方向転換で現れやすく、視覚に働きかける工夫が有効です。
無動・寡動
寡動とは動作の範囲が狭くなり、運動の量が減少し、運動の速度が遅くなることで、障害が高度になると無動に至ります。歩行、起き上がり、立ち上がり、寝返りなどさまざまな日常動作が障害されます。
例として仮面様顔貌、小字症、小声などが挙げられます。
<症状>
1.仮面様顔貌
・表情がほとんどなくなり、まばたきが少なくなる。
・感情が失われているように見えるため、周囲の理解を得る関わりが必要。
2.流涎
・舌など口腔周囲筋の動きの低下により、唾液が飲み込めず、それをとどめることができずに口から流れ出る。
・食事や内服薬も流れ出ることがある。
3.小字症
・文字を書くとだんだんと小さくなってしまう。
・目を閉じるとより著明になる。
・進行すると文字によるコミュニケーションが難しくなる。
4.突進現象
・前傾で歩行するため、歩行速度が徐々にスピードアップして、自分では止めることができなくなる。
・転倒リスクは高い。
筋強剛(筋固縮)
筋強剛(筋固縮)は診察時に見られる、比較的ゆっくりした関節運動で持続的に感じ
られる抵抗です。振戦との関連が言われているガクガクとした抵抗になる歯車現象がパーキンソン病の特徴とされてきましたが、一定の抵抗を感じる鉛管現象も少なくありません。ほとんどの症例で初発側優位の左右差が認められます。また頭部や体幹にも認められます。
<症状>
1.鉛管現象
・関節を他動的に曲げるとき、鉛のパイプのような抵抗感がある。
※パーキンソン病本来の筋強剛
2.歯車現象
・同様に、歯車のような抵抗を感じる。
※筋強剛と振戦の影響により出現
3.部落下徴候
・他動的に頚部を前屈するように頭部を持ち上げ、離すとゆっくり落下する。
まとめ
今回はパーキンソン病の四大症状のうち、1.無動・豪動、2.筋強剛〔筋固縮)の二つをご紹介いたしました。
3.振戦、4.姿勢反射障害については、次回ご紹介させて頂きます。