コラム2023/07/28
非がん患者様への緩和ケアの重要性についてvol.1
緩和ケアは、生命を脅かす疾患に苦しむ患者とその家族を対象とし、WHOによれば生命を脅かす疾患を持つすべての人々に緩和ケアを受ける権利があるとされています。
非がんである疾患とは
主な緩和ケアが必要な疾患として、心血管疾患、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、後天性免疫不全症候群 (AIDS)、糖尿病、腎不全、肝不全、多発性硬化症、パーキンソン病、関節リウマチ、神経疾患、認知症、先天性疾患、薬剤耐性結核が挙げられています。
緩和ケアを必要とする人数
WHOの報告によれば、全世界で1年間に約2,900万人が緩和ケアを必要とする疾患で亡くなり、そのうち約2,000万人が人生の最終段階で緩和ケアを必要とするとされています。特に心血管疾患、がん、慢性閉塞性肺疾患がその内訳の多くを占めています。
様々な団体が訴えている
欧州線和ケア協会 (EAPC)、国際ホスピス緩和ケア協会 (IAHPC)、世界線和ケア連合 (WPCA)、国際対がん連合 (UICC)、および国際的な人権組織 Human Rights Watch などは、苦痛の緩和と緩和ケアの権利を保障することを各国政府に要請しており、誰でもどこでも緩和ケアが受けられる体制の構築が必要であると訴えています。
まとめ
緩和ケアは、がん患者だけでなく、心不全・COPDなどの器官不全患者、認知症・フレイル患者などにも適用され、患者と家族が最期の時期をより穏やかに過ごせるようなケアが必要です。
当院でも非がん患者様への緩和ケアを実施している症例もあるため、悩んだ際は一度ご相談ください。