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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

高齢者の着替え介助における注意すべきポイントvol.1

コラム2023/07/11

高齢者の着替え介助における注意すべきポイントvol.1

介護をはじめたばかりの方が戸惑うことのひとつが、着替えの介助です。高齢者の衣類は食事や排泄などで汚れることも多いため、着替えの介助をする機会は頻繁にあります。場合によっては、1日に複数回着替えなわなければならないこともあるでしょう。今回は着替えの介助の手順やコツについてお伝えします。

こまめに着替えをしましょう

高齢者の衣類は、汚れていないように見えても、意外と汚れています。汗や乾燥した皮膚の付着など気づきにくい汚れがたくさん付いているのです。とくに下着は汚れやすいので注意が必要。清潔を保つために、こまめな着替えは欠かせません。また、着替えをすることによって、気分転換をさせることができ、生活のメリハリにもつながります。寝るときや外出時には適切な服に着替えることで、高齢者は時間の流れを意識し日常生活への活力が出るのです。このように、体と心、両方の健康を維持していくために、着替えは重要な役割を持ちます。

着替えの介助をスムーズにおこなう2つのコツ

1.着替えやすい衣類にする

着替えの介助をスムーズにおこなうには、着替えやすい衣類を選ぶことが大切になります。着替えやすい衣類とは、以下のようなものです。伸縮性のある生地 ゆとりのあるサイズ 大きめのボタン、あるいはマジックテープを使ったものウエストがゴム製のもの サイズがきつかったり、生地に伸縮性がなかったりすると、窮屈な動きを高齢者に強いることになってしまいます。ある程度余裕を持った動きができる衣類を選ぶと、介助がしやすくなるでしょう。

2.関節をしっかり支える

トレーナーの袖やズボンの裾に体を通すときに、関節をしっかり支えるようにしましょう。関節の可動域が狭まる「拘縮」を高齢者が抱えている場合、無理に腕や脚を引っ張って着替えさせると、怪我につながりかねません。そこで、肘や膝、手首や足首などを支えて関節を安定させましょう。もし自分で身体を動かすことが難しい人の場合は、とくにこの関節に注意して着替えの介助をおこなうとよいでしょう。

まとめ

着替えの介助は、毎日のことだからこそ、できるだけ負担を軽減したいものです。着替えをすべて介護者が手伝うのではなく、できる限り高齢者にも自身で着替えてもらうようにしましょう。ADL(日常生活動作)を衰えさせないことが大切です。