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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

がんと共に歩むためのリハビリテーション

コラム2023/06/06

がんと共に歩むためのリハビリテーション

がんとリハビリテーション医療

がんになると、がんそのものによる痛みや食欲低下、息苦しさ、だるさによって今まで通り動けなくなったり、手術や薬物療法、放射線治療などを受けることによって身体機能が落ちたり、損なわれたりすることがあります。

このような状況では、日常生活に支障を来し、家事や仕事、学業など社会生活への復帰が難しくなり、生活の質が著しく低下することがあります。しかし、がんになっても、日常生活を維持し、本人が望むその人らしい生活を送ることは可能です。そのために欠かせないのがリハビリテーション医療です。がんと診断された直後はさまざまな不安もある時期ですが、主治医と相談しながらリハビリテーション医療を受けることが勧められます。いつの時期からでも始められますが、なるべく早い時期から開始することが勧められています。

がんリハビリテーションとは

通常のリハビリテーション医療は脳疾患などに対して行われてきましたが、がん治療の中でも重要な役割を持つようになってきています。

がんリハビリテーションは「がん患者の生活機能と生活の質の改善を目的とする医療ケアであり、がんとその治療による制限を受けた中で、患者に最大限の身体的、社会的、心理的、職業的活動を実現させること」と定義されています。

つまり、癌が与える身体的影響と化学療法や放射線治療といった癌治療による身体定期影響、両方に対しての回復力を高め残っている体の能力を維持・向上させるための治療ががんリハビリテーションといえます。

推奨グレードB(行うよう勧められる)

以下、がんのリハビリテーションガイドラインより抜粋

・緩和ケア対象がん患者に対するサーキットトレーニングを中心とした運動療法は、倦怠感を改善するので行うように勧められる。

・転移のある乳がん患者に対する呼吸法、瞑想法などのヨガトレーニングは、自覚的活力を改善するので行うよう勧められる。

・在宅ホスピス利用患者に対するマッサージは、リラクゼーション効果と疼痛緩和の即時効果があるので行うよう勧められる。

・末期がん患者に対するマッサージ、特に足マッサージは疼痛緩和の即時効果があるので行うよう勧められる。

まとめ

今回はがんリハビリテーションについて簡単にお話しました。さらに知りたい!という方は日本リハビリテーション医学会が出しているがんのリハビリテーションガイドラインを検索してみてください!