コラム2023/06/02
光にあたると痒みや痛みがでる!もしかしたら光線過敏症かも?
普通の人なら問題ない程度の日光に当たることで、かゆみや痛み、粟粒くらいの赤くて痒いブツブツが腕などに出る方は、光線過敏症の可能性があります。
今回は、光線過敏症についてお伝えさせていただきます。
光線過敏症とは?
光線過敏症とは、日光に当たることが引き金となって、皮膚のかゆみや赤み、発疹などが生じる病気です。
日光によって免疫系が過剰な反応を起こして症状が出ると考えられていることから、「日光アレルギー」とも呼ばれます。
紫外線を浴びることで皮膚が赤く炎症を起こしたり黒くなったりする日焼けと違い、光線過敏症の場合、通常では反応が起きないような紫外線の量でも症状が出ることがあります。
また、紫外線だけでなく、日光に含まれる可視光線で症状が出ることもあります。
どの程度の日差しを浴びたら皮膚症状が起きるかは個人差が大きいですが、重度の場合は、屋内で窓から差し込む日光を浴びるだけで反応してしまうケースもあります。
光線過敏症の原因は?
光線過敏症はおもに「クロモフォア」という物質が原因となっておこります。
化粧水、香水、薬剤、食品などを介して体内に取り込まれたクロモフォアが皮膚に到達し、そこに日光や紫外線があたることで変化して、炎症をおこします。
光線過敏症の代表的な種類
日光じんましん
日光に当たった部分に、大きく盛り上がったような発疹や赤み、かゆみが生じます。
通常は、日差しを浴びてから数分程度で発症し、数時間以内に消えることが多いですが、長時間にわたって症状が続くこともあります。
体の広範囲に日光じんましんが生じると、頭痛、めまい、吐き気、脱力、など皮膚以外にも症状が現れることもあります。
多形日光疹
日光に当たった部分に、赤くぶつぶつした発疹が生じます。
通常は、日光に当たってから30分~数時間後に発症することが多いですが、翌日以降に発症することもあります。
症状は数日経つと自然に消えることが多いですが、何度も繰り返すと色素沈着を起こす場合もあります。
光線過敏型薬疹
特定の種類の抗菌薬、抗がん剤、抗精神病薬、利尿剤などを服用した後に日光を浴びると、日光が当たった部分の皮膚に発疹などの症状が出ることがあります。
この他、膠原病など免疫にかかわる病気や、遺伝性疾患などが原因となって光線過敏症が生じることもあります。
光線過敏症の予防について
一番の予防は、日光をできるだけ避けることが重要です。
帽子や日傘を使う、長袖の衣服を着用して肌の露出を避ける、といった対策を取りましょう。
症状が続く場合や繰り返す場合は受診を
光線過敏症の症状は、数日で自然に消えることが多いですが、長く続いたり、何度も症状を繰り返したりするようであれば、皮膚科の受診をおすすめします。
また、日光を浴びることで症状が出るため、衣服で隠れず見えやすい顔などに症状が出ることが多く、周囲の人の目が気になるケースもあるかもしれません。
早めに症状を落ち着かせたい場合も、受診するとよいでしょう。
まとめ
光線過敏症は、通常では反応が起きないような紫外線の量でも症状が出ることがあります。体質や薬物の摂取が関与すると考えられており、予防のためには日光をできるだけ避けることが大切です。帽子や日傘、長袖の衣服などの対策を取りましょう。
症状が長引く場合や繰り返す場合は皮膚科の受診をおすすめします。