コラム2023/05/22
在宅医療相談員がケアマネさんから「医療保険制度について」よくいただく質問
現在、ちくさ病院では、在宅医療相談員が各事業所に出向き、地域のケアマネジャー向けに毎月勉強会を行っております。
「医療保険制度の基礎」のテーマで、参加者の方々からよくいただく質問について、共有させていただきます。
Q.標準負担額適用認定証と限度額適用認定証の違いは?標準負担額適用認定証はあくまで所得区分を証明する証明書という認識でよいのか。
- その通りです。パターンとしては、①「限度額適用認定証」のみ ②「標準負担額適用認定証」のみ ③「限度額適用・標準負担額減額認定証」のみの3パターンが基本的には考えられます。例外として、高齢受給者証をお持ちの方で3割、もしくは2割の方はこういった認定証をお持ちでないことが多いです。これは高齢受給者証3割であれば現役並み、2割であれば一般区分とそれ自体が証明書代わりとして使えるためです。ちなみに②の標準負担額適用認定証のみのパターンは70歳未満で、区分がオ、かつ保険料の滞納がある方のみが当てはまるパターンです。これは、「70歳未満で保険料の滞納がある方は限度額適用が受けられない」という法律と、標準負担額適用を受ける必要があるのが区分オの方のみという二つの条件が重なるためです。ちなみに、70歳以上の方は保険料の滞納があっても限度額適用認定証の交付を受けられます。
Q.限度額適用認定証の発行について、入院してから証明書の届け出をしても間に合うのか。その場合、本人は窓口に行けないと思うが、ケアマネが代理申請することも可能か。
限度額適用は申請手続きをした月から適用されます。もし月末の31日などに入院した場合はその日のうちに手続きをしないと間に合わないので注意が必要です。申請の方法としては、郵送でも可能ですし、本人が字を書ける場合は委任状を作成し、委任された方の本人確認書類と併せて提出することで代理申請も可能です。また、本人の保険証を預かってそれを持っていくことで委任状の代わりとして使うこともできるようです。また、2022年から開始した「オンライン資格確認」に対応している病院であれば、その時点での区分などは病院側で確認が可能なため申請自体が不要となるようです。
Q.限度額適用認定証等には更新は必要ですか。
必要です。収入は毎年変わる可能性があるため、年1回7月末に更新が必要になります。ただし、ちょうど70歳になる方など、更新月が異なる場合もございます。
Q.高額療養費制度は入院日数が短くても使えるのか。「入院日数○日以上」といった縛りはあるのか。
- 特にありません。高額療養費はあくまでも費用にのみ依存します。
Q.70歳以上の高齢者世帯において高額療養費制度を利用する場合、入院は世帯合算が可能となっているが、この場合も支給対象の場合は役所から自動的に案内がきちんと届くのか(レセプトが個人単位で分かれていると思うので、世帯合算を役所がきちんと把握できるのか?という疑問です。)
自動的に案内が届きます。市役所に確認したところ大体4か月後くらいを目安に通知が送付されるようです。高額療養費の申請に関しては一度手続きをすれば、それ以降は自動で払い込みされるので何度も手続きをする必要はありません。