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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

呼吸する家。シックハウス対策で、みんなの健康を守ろう!

コラム2023/05/18

呼吸する家。シックハウス対策で、みんなの健康を守ろう!

シックハウスとは

シックハウス症候群は、住宅など建物に由来して生じるさまざまな健康障害の総称です。

主な原因とされるのは、住居の壁、床、天井、接着剤、家具、家電、おもちゃなどから発生する化学物質、タバコの煙、暖房器具から出る一酸化炭素、ダニ、カビ、細菌などさまざまです。

住宅の高気密化や高断熱化などが進み、室内の空気汚染が起こりやすくなっていることや生活スタイルの変化が背景にあると考えられています。

日本では建材などに含まれる化学物質による症状が頻発し、1990年代後半から社会問題化しました。

シックハウスの症状

症状は、目がチカチカする、鼻がムズムズする、鼻水、喉の乾燥や痛み、頭痛、湿疹、吐き気、めまいなど、多岐にわたります。

どの症状がどの程度の重さで生じるかは、個人差が大きく、あまり気にせず生活できる人もいれば、室内にいられないほど症状が重い人もいます。

家の外に出て新鮮な空気にさらされると症状が軽減される・消える点が、シックハウス症候群の最大の特徴といえます。

シックハウス症候群になりやすいのはどんな人?

以下のような人は、シックハウス症候群を経験する可能性があると言われています。

・女性や、若い人(60代と比べた場合、特に20代)

・アレルギー既往歴がある人や、神経性が敏感な人

・喫煙歴がある人や、室内での喫煙、受動喫煙・副流煙(注4)を吸い込んでいる人

・床がカーペット敷き、ホコリを目にする部屋に居住している人

日常の中で行えるシックハウス症候群対策

シックハウス症候群のリスクを減らす方法の一つは、化学物質や原因となる物質が少しでも少ない家に住むことです。

また、シックハウス症候群の原因は、建物自体から出る化学物質だけではない為、家を建てたり引っ越したりしなくても、以下のように、日常の中で行える対策もあります。

換気をする

シックハウス症候群予防のためには換気が有効です。

窓を開けてこまめに換気するよう心がけましょう。

また換気システムのある住宅は、24時間運転をし、換気設備はフィルター清掃を定期的に行いましょう。

こまめに掃除をする

ホコリがたまらないよう、できるだけこまめに適切な掃除を心がけましょう。

床にカーペットを敷くと、使用状況によってはホコリがたまりやすくなる可能性があります。意識的に丁寧な掃除を行うことで、ホコリやダニなどをできる限り除去することが大切です。

においのする家具などはできるだけ避ける

家具やおもちゃなどから揮発する化学物質も、シックハウス症候群の原因となります。

購入時ににおいがするものは避けるか、可能な場合はしばらく屋外に置いて、化学物質を揮発させると良いでしょう。

湿気に注意する

カビもシックハウス症候群の原因の一つです。

室内の湿度が高くなりすぎないように注意しましょう。適切な温度・湿度を保つことは、さまざまな疾患の予防にもつながります。

タバコを吸わない

室内で吸わないことはもちろんですが、ベランダに出て喫煙しても、室内に煙が少しずつ流入することがあります。

禁煙することで一緒に暮らす家族のシックハウス症候群やその他のさまざまな疾患のリスク低下にもつながります。

まとめ

これらの対策を実践することで、室内の空気の質を改善し、シックハウス症候群を予防することができますが、症状に応じて病院を受診しましょう。

その際、症状が起きた経緯やきっかけを正しく医師にお伝えてください。

また、名古屋市では、シックハウス症候群についての相談を受け付けています。

相談は千種・中村・中・南保健センター環境薬務室へ。

なお、その他の保健センターにおいても、窓口に来られた方からの相談を受け付けていますが、現場調査を行う場合などは、千種・中村・中・南保健センターに引き継ぐことがあります。

https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000103660.html