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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

ワセリンで花粉症対策!?

コラム2023/03/09

ワセリンで花粉症対策!?

最近は急に暖かくなり、花粉による鼻汁や鼻閉、頭痛などに悩まされる方も多いのではないでしょうか。

今回は、なんとワセリンが花粉症対策になるかもという情報がありましたので共有させていただきます。

花粉症とは

花粉症とは花粉が原因で起こるアレルギー性疾患の一つで、季節性のアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などの総称です。

原因となる花粉の飛散時期や種類は地域によって異なりますが、よく知られているのは、春先にピークを迎えるスギヒノキです。

それ以外にも秋のブタクサやヨモギ、初夏の北海道ではシラカバなど、一年を通してさまざまな花粉が飛散しています。

花粉が鼻や目、口に入ると、体はそれを異物と認識します。

そして、その異物を排除しようと過剰に反応することで花粉症の症状が引き起こされると考えられています。

主な症状は鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目や喉の腫れやかゆみですが、咳、湿疹、頭痛などが伴うこともあります。

こうした症状は数日から数週間続くことが多いので、集中力を低下させたり倦怠感を覚えたりするなど、日常生活に支障をきたしかねません。

一般的な花粉対策

花粉症に対しては、一般的には次のような対策が取られることが多いです。

マスクや眼鏡の着用

まず、花粉を吸い込まない、目に入れないようにすることが大切です。鼻から花粉を吸い込むのを防ぐにはマスクの着用が効果的です。また、目に入らないようにするには、眼鏡をかけるとよいでしょう。

花粉を洗い流す

マスクや眼鏡で対策を行っても、花粉の侵入を100%防ぐことは難しいです。花粉対策の専用アイテムを使い、鼻うがいや洗眼によって洗い流すのも効果的でしょう。

鼻にワセリンを塗る

そんな花粉症を和らげる対策の一つとして、イギリスの国営医療サービス事業(National Health Service, NHS)のサイトで「鼻にワセリンを塗る方法」が紹介されています。

これは古くから花粉症が知られているイギリスでも推奨されている方法です。

ワセリンを使った花粉対策

ワセリンとは、ワセリンは天然成分である石油を精製して作られた保湿剤です。

肌に油膜を作り、肌から水分が蒸発するのを防ぐため、顔や体の保湿ケアに用いられることが多いです。

石油を原料としていますが、精製する際に不純物はほとんど取り除かれているため、肌に使用してもアレルギー反応が引き起こされることは少ないといわれています。

ワセリンには、精製度が低く安価な「黄色ワセリン」と、黄色ワセリンをさらに精製した「白色ワセリン」がありますが、顔に使用する場合は刺激が少ない「白色ワセリン」を使うようにしましょう。

特に肌がデリケートな人が使う場合は、白色ワセリンの中でも精製度が高く、防腐剤や香料が含まれていないものがよいでしょう。

花粉対策としての活用法

上述の通り、保湿剤として多用されるワセリンですが、目の周りに塗れば、花粉対策もできると考えられています。

というのも、ワセリンの油膜が花粉をキャッチし、花粉の侵入を阻止すると期待されているのです。

目の周りへの塗り方

清潔な指にワセリンを取ったら、目の周りを一周するように目の下とまぶたに塗ります。その際、ワセリンが目に入らないように気を付けてください。

注意点

ワセリンは外出前に塗り、室内に入る時にはティッシュやコットンなどで拭き取り、新しく塗り直すようにしましょう。

また、室内にいる時も3、4時間を目安に同様の方法で塗り直します。

多く付け過ぎるとべたついてしまうため、ごく少量を付けるようにしてください。

なお、顔は体よりも皮膚が薄くデリケートな部分です。肌の弱い人は、使用前に二の腕の内側に付けてしばらく置き、かぶれや赤みなど炎症反応が起こらないか確認しておくのが望ましいです。

ワセリン効果をより高めるには

もちろん、ワセリンのみで花粉を全て防御するのは不可能です。

ただ、少しでも花粉への暴露を減らしたいという方には、マスク(インナーマスク)や眼鏡と組み合わせて、実践してみてはいかがでしょうか。