コラム2023/02/27
寒暖差アレルギーについて
「風邪でも花粉症でもないのに鼻水が止まらない…」そんな方はいらっしゃいませんか?
その症状、この時期に多い寒暖差アレルギーかもしれません。
医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、温度差が刺激となって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで引き起こされる症状と考えられています。
寒暖差アレルギーが起こる原因
寒暖差アレルギーの原因ははっきりとはわかっていませんが、自律神経が関係すると考えられています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、臓器や血管に対して正反対の影響を及ぼしています。
例えば、交感神経が優位になると血管が収縮し、血圧を上昇させますが、副交感神経が優位になると逆に血管が拡張し、血圧の低下をもたらします。
また、心拍数も交感神経が優位になると増加しますが、副交感神経が優位になると減少します。
このように、体内の環境は自律神経のバランスによって適切に保たれており、鼻の粘膜にある血管の収縮や拡張も自律神経によって通常はコントロールされています。
ところが、激しい寒暖差による刺激を受け続けると自律神経のバランスが乱れ、鼻の粘膜の血管の収縮・拡張の調節もうまくいかなくなります。その結果、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの鼻炎の症状が表れやすくなるのです。
寒暖差アレルギーの対処法とは?
この時期つらい寒暖差アレルギー。
症状を抑えるためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
寒暖差アレルギーには鼻や体を温めることが非常に有効です。
寒い屋外を出歩く時は、首元をスカーフやマフラーなどで温め、さらにマスクを着用するのがお勧めです。
マスクをつけることで鼻の粘膜に触れる冷気を遮断する効果が期待できます。
首の皮膚表面近くには太い血管が通っているため、温めることで顔まわりの血流が促進されます。
皮膚表面近くの太い血管は手首や足首にも通っているので、手袋や靴下などでこの部分をしっかりガードするのもよいでしょう。
さらに効率よく血流を促進することができます。
家での症状がつらいときは、蒸しタオルなどで鼻の付け根を温めると鼻の血行が良くなり、症状が緩和できるでしょう。
ぜひ試してみて下さい。
その外にも入浴でしっかり体を温める、早寝早起きで生活リズムを整える、運動する習慣を作るなど、自律神経を整える生活習慣を取り入れてみましょう。
それでも良くならない場合は点鼻薬を
症状が軽い場合は市販の点鼻薬で抑えることもできますが、種類によって作用が異なるため、自己判断には注意が必要です。
医師や薬剤師に相談し、用量や用法を守って使用しましょう。
寒暖差アレルギーの症状は、温度差がほとんどない季節や環境であれば自然と落ち着く場合がほとんどです。
栄養バランスのとれた食事や適度な運動、十分な睡眠といった健康的な生活で自律神経のバランスを整え、温度差による刺激に左右されない体づくりを目指しましょう。