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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

冬の睡眠対策について

コラム2023/01/16

冬の睡眠対策について

季節による睡眠の変化については、最近になってさまざまな研究が行われており、冬は夏に比べて睡眠時間が長くなることが分かってきています。
冬は日の出の時間が遅くなり、日照時間が短くなることが影響しているのではないかと考えられています。
光の刺激があると目覚めやすくなりますが、日の出が遅くなる分だけ、その刺激が入ってくる時間帯が遅くなり、目覚めも遅くなるということです。
眠りにつきやすい生活習慣や環境整備についてご紹介させて頂きます。

睡眠環境

寝付きを良くし、睡眠の質を高めるためには適切な睡眠環境が重要です。
寝る1~2時間前に、38~40℃のぬるめのお風呂に入るのがおすすめです。
寝室の温度や湿度は高すぎても低すぎてもなかなか眠ることができません。
寝室の照明が明るすぎたり、白っぽい色味であったりすると睡眠の質が低下する可能性があります。
また、騒音や物音は眠りを妨げる原因となります。

目覚める時

朝目覚めるためには、光の力を借りましょう。
太陽の光が最も強くて効果的ですが、日の出の遅い冬は、室内の照明を上手に活用してください。
タイマー付きの照明などを使い、起床の30分前から寝室の照度を少しずつ上げていくと、目覚めやすくなります。
また、午前中のうちに太陽の光を浴びるようにしましょう。

生活習慣

毎日決まった時間に就寝し、決まった時間に起床するといった規則正しい睡眠リズムが大切です。
そういった睡眠習慣がないと、生活リズムの崩れにより快眠を得づらくなります。
シフト制の勤務や夜間勤務の場合はご自身の生活リズムに合わせて睡眠リズムを調整してみましょう。
過度の飲酒や喫煙は脳を刺激して睡眠を妨げる原因になるためおすすめできません。
また、運動習慣がある人は不眠症が少ないことが分かっています。

眠気が強い場合に疑われる病気

「朝起きられない」「日中も眠い」といったことは、季節だけが原因とは限りません。
以下のような病気が隠れているかもしれません。

過眠症

過眠症とは、睡眠中の呼吸障害など睡眠を妨げる病気がなく、夜間に十分な睡眠を取っているにもかかわらず、日中に起きていられない強い眠気が連日のように続く病気です。
中枢神経の機能異常が原因と考えられ、ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症があります。

ナルコレプシー

日中に強い眠気と居眠りが繰り返し生じる病気です。
食事中など通常は眠らない状況でも居眠りをしてしまい日常生活に支障をきたします。
突然の体の筋力低下(情動脱力発作)、寝入りばなの幻覚(入眠時幻覚)、金縛り(睡眠麻痺)など、特徴的な症状が見られます。

特発性過眠症

日中に眠気と居眠りを繰り返し、眠り込むと目覚めるまで1時間以上と長時間を要することが特徴です。
目覚めの際に爽快感がなく、目覚めること自体が困難で、無理に目覚めさせると見当識障害(時間や場所が分からなくなること)を生じることもあります。

反復性過眠症

1日の大半を眠り続ける状態(傾眠期)が3日から3週間続き、自然に回復してまったく症状がなくなった後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し生じる病気です。
目を覚ましても夢を見ているような非現実感を訴える、食欲の増進または減退、性欲の亢進などをともなうことがあります。

まとめ

冬はなかなか起きられないという方も少なくないのではないでしょうか。
今回ご紹介したい眠りにつきやすい生活習慣や環境整備をとりいれてみて、改善されないようでしたら、病気の可能性もあります。

一度医療機関を受診することをおすすめします。