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戦国武将に学ぶ!長寿の秘訣

コラム2019/08/22

戦国武将に学ぶ!長寿の秘訣

戦国武将に学ぶ!長寿の秘訣

今や日本の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳となりました。皆さんは400年以上前の戦国時代の平均寿命をご存知でしょうか?その年齢はなんと37~38歳です。現代では考えられない程に短命です。そんな時代の戦国武将。戦死する方も多かったと思いますが、長寿で活躍した方々が数多くいらっしゃいます。なお愛知県ならびに日本で有名な武将である織田信長は49歳、豊臣秀吉は62歳、徳川家康は75歳で亡くなられています。今回は歴史を紐解き、長寿の秘訣についてお話させていただきます。

長生きした武将はだれがいる?

戦後時代においても、長生きした武将は意外にも多くいます。滝川益氏は108歳です。滝川益氏といわれてもピンときませんよね。前田慶次(前田利益)の父親といわれている人物です。次いで、北条幻庵が97歳。北条幻庵は後北条氏の祖である北条早雲(伊勢宗瑞)の4男で北条氏直までの後北条5代に渡って活躍された人物です。平均年齢が低い中でここまで生きられるのは凄いですよね。戦国武将に数えられる人々は、当時一定以上の成功を収めた方々です。当然庶民に比べて栄養状態や生活の状況など恵まれており、長寿であることもあたり前のようにも思います。しかし、その分を差し引いても現在ほど医療が発達していないこの時代において、長命な方々が多いように思います。その秘密が、戦国武将の毎日の生活にあると考えられます。戦国武将の日常生活(1日の生活パターン、体の鍛え方、頭の鍛え方、食事)を見てみましょう。

戦国武将の1日の生活パターン

戦国武将の起床時間は午前3時から午前5時までの間です。夜襲を警戒する目的もあったそうです。屋敷の点検、水行で神仏に礼拝の後、身支度や家人へ用事を申し付けます。城勤めの武将は、午前6時には出仕していました。ただし、毎日ではなく、必要に応じて出仕していたようです。朝食は午前8時頃で弁当を持参することが多かったようです。君主によっては、武将の朝食を準備していました。身分や役職によって城での仕事が異なり、身分の低い者は、馬の世話や城の備品管理などの雑用や警備を主に担当しました。それ以外の者は、役職に応じた仕事を行いました。例えば右筆(文書や記録をつかさどる職)であれば書類の作成などです。城に出仕しない日も武将は多忙です。身分の高い武将は自らの領地の管理や接待、身分の低い武将は生活の糧を得るために畑仕事などに従事していました。午後2時に夕食(当時は1日2食)。午後6時には門を閉めて、屋敷の点検や火元の確認を行い、午後8時には就寝していました。

戦国武将の体の鍛え方

戦国武将は、戦場での活躍が求められます。その為に仕事の合間に体を鍛え、戦場で役立つ技を修練しました。刀や弓、槍、鉄砲に加え、馬、組打(素手での格闘術)、水練(水泳)、忍術などの武芸です。優れた人物を選んで弟子入りし、効率よく学んでいたそうです。

戦国武将の頭の鍛え方

文武両道と言われるように、武士は様々な教養も身につけていました。子供の頃には主に禅宗の寺院で基本的な読み書きや経文、武家のしきたりや一般常識などを学びました。大人になってからも、公家との交渉など必要により蹴鞠、絵画、立花、香道など貴族的な文化も学んだと言われています。

戦国武将の食事

食事の内容は一汁一菜が基本でご飯(玄米や雑穀)の量が最も多く、1回の食事で2合5勺(今の茶碗5杯分)も食べていました。汁物は味噌汁や塩汁など、おかずは野菜や海草、蒲鉾や納豆などの加工食品、梅干し、漬物、鳥類や魚の肉などさまざまです。このように普段の戦国武将たちの食事は質素なものでした。

長寿になれる食術の秘訣7か条

武士のメシ(永山久夫 著)では、武士の生活から下記の7つの長寿の秘密を考察しています。
・よく噛んで食べる
・米は一晩水に浸してから炊く
・米は玄米を食べる
・飲み物は日本茶が良い
・イワシや海藻からカルシウムを摂る
・野菜が豊富な汁物を毎日食べる
・常に体を動かしカロリーを消費

まとめ

玄米、野菜、魚、海藻に日本茶、現代でも健康に良いとされている食品です。また、よく噛んで食べる、常に身体を動かす(運動を行う)も現代でも健康に良いとされている習慣です。今回は、戦国時代のお話をさせていただきましたが、古今東西、健康の本質は同じです。「バランスの取れた食事、良質な睡眠、適度な運動」の3か条を心掛けて、自分自身を大切にしていきましょう。