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「くまのプーさん」の真実!ディズニーが買収していた?

コラム2022/11/09

「くまのプーさん」の真実!ディズニーが買収していた?

E. H. シェパード『絵本 クマのプーさん』原画 1965年 E. H. Shepard,Illustration for The Pooh Story Book by A. A. Milne. Courtesy of Penguin Young Readers Group, a division of Penguin Random House, LLC. ©1965 E. P. Dutton & Co., Inc. Winnie-the-Pooh is organized by The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Amherst, Massachusetts, United States.

クマのプーさん展 https://pooh-nagoya.jp/

「くまのプーさん」はディズニー発祥ではない

ハチミツが好きで、ピグレットやティガーなどの仲間たちと生活をする「くまのプーさん」ですが、ディズニーキャラクターとして有名ですよね。私はあのフォルムや色味が好きですが、実はディズニー発祥のキャラクターではないんです。今回は、「くまのプーさん」についてのお話です。

名古屋市美術館では「くまのプーさん」展が行われています

2022年10月8日(土)~11月27日(日)にかけて、名古屋市美術館では「くまのプーさん」展が開かれています。

貴重な原画が約100点見られるそうです。

「クマのプーさん」展

https://pooh-nagoya.jp/index.html

「くまのプーさん」はイギリス発祥

1926年に発表されたA・A・ミルンの児童小説です。

クマのぬいぐるみでハチミツ好きの「プー」と、森の仲間たちとの日常が10のエピソードによって描かれています。

1928年には同様の構成をもつ続編『プー横丁にたった家』も発表され、「クマのプーさん」のシリーズはこの二つの物語集と、その前後に発表された二つの童謡集「ぼくたちがとてもちいさかったころ」「ぼくたちは六歳」の計4冊からなっています。

童謡集は当時3歳だった自分の息子に向けて作られているので、内容もスペルミスがあったりとクスッと思える表現もあります。

なお、挿絵はいずれもE.H.シェパードが手がけていますが、この方もとても重要な人物です。

「くまのプーさん」の仲間たちはミルンの家に来たぬいぐるみがベース

「A・A・ミルン ぬいぐるみ」と検索していただくと、見覚えのあるぬいぐるみが出てきます。

今もなお、アメリカで保管されているそうですが、ミルンの家に来たぬいぐるみがイーヨーやティガーなどの原型とのこと。

ちなみに、クリストファー・ロビンは、自分の息子クリストファー・ロビン・ミルンがベースとなっています。

「A・A・ミルン ぬいぐるみ」と調べてもらうと出てくる写真を見ると違和感を覚えるかと思います。

実は、そこに写っているクマのぬいぐるみはプーさんのベースではないんです。

ようこそ!クラシック・プーの世界へ

http://www.asahi-net.or.jp/~ka3i-mztn/clpomiln.htm

プーさんはミルンの家に来たぬいぐるみではない

作品を自身の息子クリストファー・ロビン・ミルンが持っていたテディ・ベアから着想しています。

しかし、あのふっくらしたフォルムを有したプーさんのベースは、E.H.シェパードが挿絵をしたところから始まります。

E.H.シェパード自身は自宅にあったテディベアから発想を得たのかもしれません。

というのも、イギリスでは生まれた赤ん坊にテディベアを与える習慣があるんです。

子供にとってテディベアは玩具以上の存在であり、自分の兄弟であるかのように扱われています。

テディベアは話し相手となり、時には誰にも言えない秘密を告げる相談相手にもなるんです。

ディズニーのキャラクターになったのは1960年代のこと

1960年代からはディズニーによって一連のくまのプーさんシリーズのアニメーションが作られ、原作の知名度に大きく貢献しています。

1966年に「プーさん」の初の短編アニメーション映画「プーさんとはちみつ」を公開しました。

しかしこのアニメーション作品は、キャラクターたちはたいていアメリカ中西部のアクセントでしゃべり、プーの親友ピグレットの代わりに生粋のアメリカ的キャラクターとしてゴーファー(ジリス)という原作にないキャラクターが投入され、クリストファー・ロビンは髪を短くしていかにもアメリカ的な少年として描かれ、原作にあったミルンの詩は排除されてシャーマン兄弟の楽曲に差し替えられるなど、そのアメリカ的な解釈がイギリスで批判の的となったそうです。

今私たちの知っているプーさんはアメリカナイズされた形ということですね。

E. H. シェパード『クマのプーさん プー横丁にたった家』原画 1957年
E. H. Shepard, Illustration for The World of Pooh by A. A. Milne.Courtesy of Penguin Young Readers Group, a division of Penguin Random House, LLC. © 1957 E. P. Dutton & Co., Inc.

まとめ

そろそろ生誕100周年にもなりそうですが、意外と知らないプーさんの歴史があったのではないでしょうか。

今月末まで名古屋市美術館で「くまのプーさん」展が行われているので、誕生当時の姿や物語を知りたい人は、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。